Devil's Own

cinema, music, book, trash and so on...

DVD/BD

『アリゲーター』(ルイス・ティーグ)

"Alligator"1980 『クジョー』が素晴らしかったので借りてきた。ちょっと調べてわかったのだが、監督のルイス・ティーグはもともとロジャー・コーマンの下で仕事をしていたのだそうだ。作品を見る限りそのスピリットをしっかり受け継いでいるとおもう。12年…

『クジョー』(ルイス・ティーグ)

"Cujo"1983 スティーヴン・キング『クージョ』の映画化。穏やかで忠実なセントバーナード、クジョーが狂犬病に冒され凶暴化する。プロットからも分かるとおり、『ジョーズ』以降量産された動物パニックもののひとつ。実は子どもの頃の私が一番苦手としたジャ…

『ゾディアック』(デヴィッド・フィンチャー)

"Zodiac"2007 『ゾディアック』について今一度書いておきたい。サスペンスやスリラーとして本作を見たときに、欠点として必ず指摘されるのが160分という長さである。なるほど私も公開時には長すぎるとおもったし、ヒッチコックなら90分以内でまとめあげるこ…

『めぞん一刻』(澤井信一郎)

1986 音無響子役に石原真理子、五代裕作役に石黒賢という一体誰に向けて作られているのかわからないキャスティングは今見ても怪異だが、公開当時も原作ファンの受けはよくなかったであろうことも想像に難くない。アマゾンのレビューも酷評だらけである。そう…

『ボヴァリー夫人』(ヴィンセント・ミネリ)

"Madame Bovary"1949 少し前から気になっていたヴィンセント・ミネリ監督による『ボヴァリー夫人』。メトロ・ゴールデン・メイヤー製作のアメリカ映画で、むろん全編英語である。エマ・ボヴァリーをジェニファー・ジョーンズが、シャルル・ボヴァリー(劇中ではチ…

『幻の女』(ロバート・シオドマク)

"Phantom Lady"1944 ウィリアム・アイリッシュの原作が書かれたのは42年なのでわずか2年後の映画化ということになる。アイリッシュの原作は中学生のときに読んだ。ニューヨークを舞台としたノワール色の強い探偵小説で夢中になって読み、終盤であっけなく明…

『マイ・フェア・レディ』(ジョージ・キューカー)

"My Fair Lady"1964 ヒッチコックが、キム・ノヴァクをグレース・ケリーへ変身させる狂気に駆り立てられたように、キューカーもまた女性を変身させるというオブセッションにとらわれた作家だ。『マイ・フェア・レディ』は、『男装』や『ボーン・イエスタディ…

『バッド・ルーテナント』(ヴェルナー・ヘルツォーク)

今年見た映画の中でも屈指のお気に入りなのだが、なかなかその魅力を言葉できなかったので、DVDで再見した機会にいくつか書いておきたい。ニコラス・ケイジ演じるテレンス・マクドノーは、表向きは優秀な警官だが重度の薬物常用者でもあり、証拠品を横領した…