丸尾末広の「パクリ」精神
今日近くで「ウルトラマンメビウス」の撮影してた。
最近、自己嫌悪より自己陶酔の状態が多い。
かなり、長期的な躁状態にある。こういうときって逆にすごく危ないんだよな。
・・・・・・。
先月今月とリリースされた丸尾末広の初期の作品集改訂版を昨日下北沢で購入。
- 作者: 丸尾末広
- 出版社/メーカー: 青林堂
- 発売日: 2000/03
- メディア: コミック
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- 作者: 丸尾末広
- 出版社/メーカー: 青林工藝舎
- 発売日: 2006/09/25
- メディア: コミック
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改訂版だからといって殆ど変わるわけでもなく、巻末に若干新しめの作品が追加されているくらいだが、まぁこれで初期短編集が手に入りやすくなったのは嬉しい限り。
「DDT」もそうだが、やはりこの時期の短編のいかれ具合は半端じゃない。既存の常識とモラルを破壊し、あらゆる人間性を蹂躙する異常性愛の極致。痴態、痴態、痴態。崇高な狂気。
近親相姦、眼球舐め、屍姦、獣姦、スカトロジー、SMとなんでもありの地獄絵図。嘔吐必至。
まぁ、一回目はその破綻したストーリーの破壊と不道徳のダイナミズム、そして彼特有のシャープな線によって描かれるシュールレアリスティック世界観を堪能することに圧倒されたが、2度目からは熱も引き、様々な文学、絵画、漫画、映画からのパスティーシュを見て取ることができる。
と、こういうレトリックを用いると丸尾末広という作家が、各芸術方面に精通した文化的な素養を持ち、いかにもそれらのカルチャーへのオマージュ精神に溢れたクリエイターであるように聞こえる。
だが、誤解を恐れずに言えば、こういったパスティーシュは端的に言って「パクリ」以外の何者でもない。引用だとかオマージュとかでは、「パクリ」行為に潜む本質的な猥雑さが掻き消えてしまう。丸尾の「パクリ」精神に対する考察は非公式サイト「丸尾天国」で展開されている。更に、サイト内には、作品の1コマ1コマの細部に至るまで丁寧な分析を加えその構図や人物像の「ネタ元」を暴く「まるおパクネタ事典」というコンテンツまである。
ファンにとっては賛否両論のラジカルな見解ではあるかもしれないが、いずれにしてもここまで徹底したオリジナリティー懐疑のアティチュードと、資料提示はかなり貴重だ。僕もこのページを見つつ、「元ネタ」と丸尾作品の露骨過ぎる酷似と、それにもにもかかわらず輝きを放つ丸尾という個性とが拮抗し、知的財産における様々な法的境界線すらも破壊されていくような感覚を楽しんだ。
要するに楽しむことにフォーカスするとするならば、丸尾作品が凶悪なパクリだろうがなんだろうがどうだっていいのだ。元来丸尾の作品自体が、そういったルールからは全く解放された実にフリーキーな性質を持っている。それは純粋だとか無垢だとも呼んでいいし、もちろん卑劣だとか狡猾だといってもいい。
巧妙な剽窃が、丸尾末広という作家の本質となるものであるし、丸尾作品はあらゆる文化的・知的財産の豊穣なアマルガムに他ならない。
さてさて、昨日下北ぶらついて気になった本をいくつかメモ書きしておこうと思う。
- 作者: 窪田般弥,滝田文彦
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 1985/09
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先日「恐怖奇形人間」を始めとするカルト・ムービー祭ですっかりこの手の映画に対する興味が加熱。
石井輝男や鈴木則文などの鬼才監督による異色作の考察を始め、キャスト・スタッフインタビューが多数掲載。読むだけで、あの猥雑でアナーキーなフィルムの空気感と狂熱が伝わってくる。これはマジで欲しい。
SWITCH Vol.24 No.10(スイッチ2006年10月号)特集:スガシカオ「愛すべき嘘つきの物語」
- 出版社/メーカー: スイッチ・パブリッシング
- 発売日: 2006/09/20
- メディア: 大型本
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- 出版社/メーカー: 毎日コミュニケーションズ
- 発売日: 2006/07
- メディア: ムック
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- 作者: 羽生生純
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2002/02
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- 作者: エウゲーニー・M・ラチョフ,うちだりさこ
- 出版社/メーカー: 福音館書店
- 発売日: 1965/11/01
- メディア: 大型本
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未だ僕の心を照らし続ける、原点的絵本。全霊長類必読だぜ。これは。
というわけで、今日もひとり暗闇に話しかけながら寝ます。