ヌーヴェル・ヴァーグ三昧(3)
- 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
- 発売日: 2002/02/25
- メディア: DVD
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カフカ、ヘーゲルなどの豊富な文学的参照と極めて乱暴かつ粗雑に挿入されるバッハ、モーツァルトなどクラシック音楽の引用により、数多くの文学者、歴史学者の美意識によって華麗にデフォルメされた人類の罪深い歴史の真実を痛烈に抉り出す。知的で滑稽で素っ気無く怖い映画だ。
「アルファヴィル」と同主演俳優によって再び現れる30年後の老いぼれレミー・コーションは、暴風が吹きすさび、カラスが飛び回るホテルのベッドに座り途方に暮れる。傍らには誰かの忘れ物「聖書」だけ。
機械仕掛けの水車に向かうドン・キホーテが、資本主義へと組み込まれていく西欧人の疎外感のメタファーなのかは知らないが、唐突で寂しく空虚な映画だった。
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ロメールの6つの教訓物語の第3話。コレ観たら、1,2話を見逃したことをかなり後悔してしまった。そのくらい素晴らしい作品だった。食卓を囲む男女の様々な思惑とシンクロした形で展開するパスカルの思想を巡る論争がスリリングだ。しかもそれが衒いなく極めて自然に演出されているから、これはちょっと凄いなと思う。ラストに向かって収束していく登場人物の関係性は、メロドラマ的なドラマツルギーではあるけれど、余計な説明を一切加えず、婉曲的なダイアローグと表情だけで示すのが見事。