憂鬱で悲観的な2006年に僕が駄文を綴るということ
お世話になっているブログの方々で話題になっていたカヒミ・カリィのアルバムをようやく購入。
- アーティスト: カヒミ・カリィ,大友良英,ヤン富田,コーネリアス,ジム・オルーク
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 2006/10/25
- メディア: CD
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ランキングといえば、一時休刊していた雑誌スヌーザーが毎年恒例のアルバムランキングを発表していた。
snoozer (スヌーザー) 2007年 02月号 [雑誌]
- 出版社/メーカー: リトル・モア
- 発売日: 2006/12/28
- メディア: 雑誌
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1位 Arctic Monkeys
2位 Bob Dylan「Modern Times」
3位 曽我部恵一「LOVE CITY」
4位 Johanna Newsom「Ys」
5位 The Rapture 「Pieces Of People We Love」
6位 Daedelus 「Denies The Day’s Demise」
7位 Boom Boom Satellites「ON」
8位 The Fratellis 「Costello Music」
9位 8otto「We Do Viberation」
なるほど、なるほど。アークティックとディランの首位はなんとなく予想できたが、曽我部はかなり意外だった。この雑誌はサニーデイ解散以降の曽我部は完全にノーマークだったくせに、相変わらず日和ってるなぁ(笑)
今年は各雑誌メディアのランキングに左右されないように早めに自分のベストディスクを選出したのだが、結構被ってるなとスヌーザーを読んで思う。一時期激しくこの雑誌に傾倒していたこともあってか、自分の中にあるの「スヌーザー耳」の根深さを思い知らされた。VariousがMassive Attackとフェアポート・コンヴェンションの掛け合わせだとか、つい先日僕が書いたことがここでもしっかり書かれていたりして、考えることは同じだなぁ。。。
選出したランキングを元に2006年のポップシーンを音楽ライターが対談形式で俯瞰する企画があったのだが、編集長田中宗一郎と元ロッキング・オン・ジャパンの鹿野淳の対談はかなり上がった。田中宗一郎と鹿野淳という二人のライターは、文章のスタイルもライターとしてのアティチュードも、中学高校の頃の僕に相当影響力を持っていた。僕は高校生の頃、あまり趣味の合う友達がいなくて、周りはみんなヴィジュアル系か青春パンクを聴いている中、教室の隅でシロップ16gや中村一義聴きながら乙一とか読んでいる生徒だったので、やはり年の離れた田中宗一郎とか言うオッサンが自分と同じような感覚を持っていると知ったときは嬉しく感じた。鹿野淳の場合はロック雑誌の表紙を平気で浜崎あゆみにして、大真面目で批評するようなテロリズムに惚れこんだところが大きい。ライターとしての嗅覚とかセンス以前にある意味最もラジカルだったと思う。僕が自己耽溺とロマン主義、そしてシニシズムに根ざしたどうしようもなく下らない文章を書くようになったのは恐らくこの二人の影響だろうと自覚があるだけにこの対談はなかなか感慨深いものがあった。
さて、今年も今日でお終いです。このブログは通常通りなので別に対して振り返る必要もないのだが、ブログというメディアを通じて、自分の文章をコンスタントにアップするようになったのは2006年でひとつのトピックスであった気もする。僕は随分小さい頃から文章を書くことが好きで、文章に自分の考えや感情を起こすことは僕の中で自己保存の手段ですらあると思っている。逆に言えば、僕は文章を書くことでようやく精神的な均衡を保っていると言っていい。曖昧で、軽薄で、時々本質的な「コトバ」が僕そのものだ。そしてそれらのコトバによって形成される僕と言う存在がこの世界において無意味なものであることを僕は自覚している。決して絶望からそう言っているのではなくて、世間でよく言われるような「自分の価値」とか「生きる意味」とかに予定調和で短絡的な意味を付加されるくらいなら、そんなものない方がマシだと思っているだけだ。自分探しばかりしている目的意識のない人間やすぐに生きることに見切りをつける人間、そしてそれを無条件に肯定することで解決しようとしている社会に全くリアリティーを感じないのは、多分そういった僕のメンタリティーに起因している。
僕は故にこれからも、世界に無駄な文章を吐き出し続ける。ウェブログは紙を使わないから少なくとも資源の無駄にはならないだろう。
文章を書くこと自体は例年と変わらないのですが、ブログを通して素敵な出会いがいくつもあったのはよかったと思います。コメントやトラックバック、アンテナ登録をいただいた皆様には感謝です。これからもよろしくお願いします。
来年も良い年でありますように。
では多分また明日。