Devil's Own

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髭、Peanuts Forever Tour @Liquid Room Ebisuライヴ・レポート―僕たちの仲は修復可能かい?

行ってきたわけよ。そう髭、髭(HiGE)

Peanuts Forever

Peanuts Forever

セットリストをmixiから泥棒。サンクスあろっと。

1.ネアンデルタール Punks Fuck Off !
2.MR.アメリカ
3.ヒサシ. カリメロ
4.1mg
5.王様はロバのいうとおり
6.髭は赤、ベートーヴェンは黒
7.ギルティーは罪な奴
8.Good Feelin
9.ハートに火をつけて -Light My Fire(By Doors)
10.せってん
11.ランチ
12.アメニウタエバ
13.ブラッディ・マリー、気をつけろ!
14.ロックンロールと五人の囚人
15.白い薔薇が白い薔薇であるように
Encore1
1.ドーナッツに死す(新曲)
2.ダーティーな世界(Put your head)
3.ハートのキング
Encore2
1.Paint It Black(新曲)

 感想としてはうーん・・だったなぁ。みなさん色々思ったようですが、トラバ先(id:lefrancさん)の印象が同感という感じです。
 須藤君すらかなり戸惑う会場のノリの悪さに正直辟易してしまった。
そのせいかはわかんないけどソフトなライヴだったと思う。みなさんBPMの早い曲はノるけどあとは立ち聞きOR横ノリという感じ。。なんか間違ってないかぁ??
 あの「Good Feelin」でみんなが横ノリなのには愕然。個人的にはあれで踊りに来たようなものだし、ていうかあれは明らかにアルバム一番の出来だし、ビートルズの「Tomorrow Never Knows」をロールモデルにしたダンスミュージックなんだから踊らなきゃ。少なくとも横ノリではないだろう。1曲目からストレートな楽曲が連続して、会場の興奮もピークだっただけにバンドサイドとしてはこの必殺の大名曲「Good Feelin」をトドメくらいなつもりで演奏していた模様。あのテンション急降下にはかなり戸惑っていた。
 僕も「?」とは思いつつ、続いて演奏されたドアーズの名曲「Light My Fire」に全てが消し飛ぶ。あれが間違いなく今回のライヴのハイライトだろう。まぁ会場のテンションは更に下がっていたが、隣にいた知らないお兄さんと二人で踊り狂う。ジム・モリソン亡き今、あんなにセクシーでエモーショナルに「ハートに火をつけて」を歌えるのは世界中探しても須藤寿だけだろう。これは誇張でもなんでもない。今のところ日本一のロックンロールシンガーはチバユウスケではなく間違いなく須藤寿(カリメロ)。それだけにもうこんな鳥肌級の「Light My Fire」をきけるのは一生で最後かもしれないと思い、感動。ゆっくりと深く熱度を増していく中盤のディープなジャムセッションが最高だった。狂ったツインドラムと斉藤君の真顔で変態的なキレキレギター、そこに宮川のベースがエロく絡む。オーディエンスは棒立ちだったけど、BPM早ければいいというものではないのだよ。とりあえず昨日の「Light My Fire」できょとんとなっていた人々は今すぐ某エルレガーデンのアルバムを売って、ドアーズのファーストを手に入れるべきだ。

ハートに火をつけて

ハートに火をつけて

 続いてアルバムもう一つの名曲「せってん」、「ランチ」というBPM遅めの2曲で会場は完全に冷めきる。須藤君の「なんだろう、、今日のこの空気をどうすればいいんだい?・・盛り上げなきゃ・・」との切迫したMCに続いて3曲を一気に片付ける。ここは結構盛り上がったが、「白い薔薇」で再び速度が落ちるのに比例して会場のテンションも下降する。うーん。
 でも「白い薔薇〜」終盤のアレンジは何度聴いても壮絶。ジャムバンドとしての髭ちゃんのポテンシャルの高さに毎回驚かされるね。今回も素晴らしかった。
 それだけに、中盤の「この空気はなんなんだーい。僕達の仲は修復可能かーい?」というMCやドラムスのコテイスイに腕立て伏せやってもらったりとかオーディエンスに媚びるパフォーマンスが気になった。どうしたんだ須藤君!もっと毒を吐いてくれよ。昔は僕らに中指立てたじゃないか。(あれは宮川さんか)

 「ダーティーな世界」なしにライヴが終わる筈ないので、待っているとアンコールで再登場。新曲「ドーナッツに死す」これはかなり秀逸な曲だ。ウェンツ瑛士主演映画の主題歌というキャッチコピーは正直邪魔でしかない。で、定番の「ダーティーな世界」。
 ラストはブラーの「Sing」を彷彿とさせるディープサイケ「ハートのキング」。これはアルバムで聴いたとき一番戸惑った曲だが、ライヴで聴くとかなりの中毒性を発揮した。もう一つのハイライトは多分これだろう。
 アンコール2回目で再び新曲「Paint It Black」。新曲とか言いつつストーンズのカヴァーやるという冗談ではなく、純粋な新曲。曲はノイジーでエモーショナル。ストーンズというよりはニルヴァーナという感じだった。

 いずれにしても今回のライヴのノリはちょっと不完全燃焼でした。思ったのは結構女の子が多い。いいなぁ、髭聴いている彼女欲しい。あのハートのピン留めと赤いカーディガンの水玉のタイツにメガネの子に会えないかなぁああ。って気持ち悪いね(笑)

 多分、先月30日のクラスヌの方が盛り上がったんじゃないかと思われ、クラスヌ行けばよかったと激しく後悔。どうだったんだろ。
 バンド側、、特に須藤君の焦燥が如実に露呈したライヴだったと思う。「Peanuts Forever」に対するタナソウの評価が辛かったりとメンタル的に相当来てた上に、会場のノリがあれだと、確かに相当焦るのかもしれない。
冒頭のMCで、「これでファイナルだからもう「Peanuts Forever」から曲をやる必要はないね」と言っていたように、バンドとしてもニューアルバムに対するモチベーションは下がりつつあるのかもしれない。いいんだよメジャーファーストだし。次はもっとポイズン満載のを作ればいいじゃないか。

 願わくば「壁に話しかける」あたりのディープなナンバーもやってほしかったが、あれはちょっとライヴは難しいかな。てかあの会場ではしんどいだろう(笑)
あとは「イギー・ポップによろしく」「Acoustic」あたりで純粋に盛り上がりたかった気もするし、「君のあふれる音」のスウィートさにやられたかったりもしたし、その辺は欲を言ったらキリないよね。何度も言うように「Light My Fire」聴けたのが至福だった。