Devil's Own

cinema, music, book, trash and so on...

週末ばんざい

 金曜は学校がサークル棟が開放されていて、皆様思い思いに過ごしていいよという日で、僕は後輩達にうどんやら雑炊やらをふるまってから、色々な人と話して見たりもしつつ、深夜に帰った。
 帰って、谷ナオミ主演のロマンポルノを見て寝た。

濡れた壷 [DVD]

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 土曜、昼頃にのろのろと起きて、暫く読書してから新宿へ出た。教授とクラスメイトと待ち合わせして、3人で「監督・ばんざい」を観た。
 「監督・ばんざい!」については、簡単な印象を述べてみると、駄作は駄作だけれど、世間で言われるほど物凄く酷い映画でもないような気がした。前半部分のパロディーが悉く退屈で、かなり危惧はしたりもしたが、後半は結構持ち直していたと思う。そう考えるとやはり単純に題材にしては時間が長かったのが、一番の問題だったような気にがする。前半が自己解体/分析、後半が再構築だとすれば明らかに前半部分が助長で、松本人志と同じくタレントとしての過剰自意識に嵌ってしまったのが敗因ではないかと。江守徹の怪演に目が行き勝ちだが、鈴木杏が非常に可愛い。終盤あたりで岸本加代子鈴木杏の衣装が入れ替わっていたのはリヴェットの「セリーヌとジュリーは舟でゆく」のオマージュなのかもね、と教授が指摘していて、なるほどなぁと思う。
 その後、ラーメン屋とかバーとかで、「大日本人」と「監督・ばんざい!」の並列議論の行方について少し話をした。両者とも自己と視聴者と、なぜか戦争に対する言及がなされているという点で、共通する点も多いのかもしれない。途中で僕にとっての映画の原点が特撮だとバレてしまう。
 解散してから、高校の友達の家へ行った。二人で「乾いた花」を見るも、徹夜明けの友達は途中で眠っていた。花札のことがよくわからないのと、全体的に画面が暗いのとで、僕自身も眠たくなったが加賀まり子が可愛すぎて結局最後まで見てしまった。
 日曜、出版関係の就職セミナーにあまり気乗りはしないながらも行ってみる。可愛い女友達作ろうと思っていたのだが、お昼ご飯食べながら、課題作文に選んだ「印象に残っている本」で辻仁成とか「いま、会いにゆきます」とか選んだーと喋っているのを聞いて、ちょっと無理かもなぁと思い、結局誰とも話さず。端的に言うと全然楽しくなくて、文芸誌とか新聞とか読めとかいう本末転倒な話をされて興醒めしたりして、憂鬱になってしまった。
 終わってからシネマヴェーラに行ったら、セミナーよりも数千倍美しい女性が何人かいたので、救われた気持ちになった。日曜なので3本立て「狂った果実」「女教師狩り」「生贄夫人」のどれも初見だったので楽しんだ。「生贄夫人」は言うまでもなく谷ナオミが最強だったが、根岸吉太郎監督の「狂った果実」が特に気に入った。そういえば昨日教授と竹内結子主演の根岸監督最新作ってどうなんでしょうねという話をしていたので少し自分の中でタイムリーだった。この映画の魅力は、アリスの音楽と蜷川有紀の美貌にかなり依拠していたのだけれど、蜷川有紀の説明臭い台詞回しが独特でよい。この、人を食ったような物言いが、苛立ちと愛おしさが入り混じったような感情を観る者に抱かせて、それが主人公の青年に対する感情移入に貢献している気がした。わざとらしさもなく、このような演技をすることは結構大変だと思うが、こんな感じのキャラクターをどこかで見たことがあるなと考えていると、それは僕の愛してやまない栗山千明だと思い当たった。「エクステ」において、栗山千明が説明口調で日常会話を交わすという遊びにハマっているという描写があり、それが映画のイントロダクションとしても機能しているので、いわば説明過多な演出法なのだが、栗山千明がやることで不自然さを回避していたように思う。そう考えると、蜷川有紀がますます美しく見えてきて、またロマンポルノでステキな女優さんを発見したなと思った。
 それにしてもロマンポルノって、どうしてこうハッピーエンドが少ないのだろうか。話の流れだといくらでも幸福な帰結は出来るはずなのに、むじろ不自然なくらい無理矢理に、そういった幸福な結末を回避しようとする。まぁ、そういう突き放されるような感覚がたまらなく魅力的なのだけれど。
 明日は、ロマンポルノいや日本映画屈指の大傑作、「㊙色情めす市場」が上映。もう一本「暴行切り裂きジャック」も好きだけど、「めす市場」の方は結構色んな人に観にいくことを薦めたので、もしかしたら明日は友達に会えるかもと期待してみる。「めす市場」DVD早く出ないかなぁ。
 それから、誕生日に母親がくれた図書券を使おうとBOOK1stで本を買った。
 久しぶりにセリーヌの「なしくずしの死」を読みたかったのだけれど、河出文庫ってちょっと高いし、しかも上巻しかなかったので、やめにした。後輩とサドの話で盛り上がったが、「悪徳の栄え」しか読んでいないので、「ソドム」買った。電車でざっと読んでみたけれどやっぱり澁澤訳だからなのか凄く面白い。それからハーバーマスの公共圏の関係で、世間学に手を出し始めていて、阿部の本は図書館で借りていたけど、新書なので購入。その流れで現象学の必要が出てきたので、買う。
ソドム百二十日 (河出文庫)

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「世間」とは何か (講談社現代新書)

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現象学とは何か フッサールの後期思想を中心として (講談社学術文庫)

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 友達にJUSTICEのアルバムを借りてきた、ブウィーーーーンってアルバムではなくオーイエーという感じで、よく言われるように確かにこれは「ディスカバリー」だと納得した。早くフジロック行きたいなぁ。
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