Devil's Own

cinema, music, book, trash and so on...

日曜日が待ち遠しい!!!!とはこのこと!

 DVDは、先週半額レンタルの際に借りたもの。やっぱり「ゾディアック」より「ダーティ・ハリー」のほうが好き!というか全然違う種類の映画だと思うので巷の並列議論自体がヘンと言えばヘン。「濡れて打つ」を夜中に見て再び抱腹絶倒。ジェネオンのロマンポルノDVD6月のラインナップには、もうひとつ金子修介の作品が入っていて、こっちは数年前CSで見た以来なので、早く渋谷ツタヤが準新作にしてくれないものかと思う。他には曽根中正の作品群がやはり楽しみでならない。 
 そんなことは置いておいて、というわけで、デートさせて頂きました。
 まぁ彼氏もいらっしゃるお方の日曜日を一日中付き合わせるのもさすがにいかがなものかと思うので、待ち合わせは夕方くらいにして、ひとりで朝から神保町へ行った。探していたのは、「女優・林由美香」と「ゴダール伝」だったが、前者はちょっと見つからず後者はまだ値崩れしていないようなので、諦めた。神保町はやはり色々とあるのだけれど、ブックオフなどと違いやはり欲しいモノは高いので、結局ワゴンセールのような所で無難なものを買うのに留めることになった。とか言いつつ3000円超。

星のある生活―他 (東欧の文学)

星のある生活―他 (東欧の文学)

フリッカー、あるいは映画の魔

フリッカー、あるいは映画の魔

モーヴァン (BOOK PLUS)

モーヴァン (BOOK PLUS)

映画千夜一夜

映画千夜一夜

 「フリッカー、あるいは映画の魔」は中3の頃だったかの夏に読んで、のめり込んだセオドア・ローザックの傑作で、ハードカバー初版で300円だったので。夏にでも読み返そうと思っていたし。
 というわけで、重たく不恰好な紙袋を引き摺って待ち合わせ場所へ赴き、笑われる。デートしてくれた女性は、本当に本当に素敵な人で、素敵な人には彼氏がいて当たり前なんだよなと思う。トリュフォーを2本。どちらも大好きなのだが、やはりアントワーヌ・ドワネルもの最終作「逃げ去る恋」が格別に最高だ。終わった後、何度も二人でいやードワネル馬鹿過ぎよ、可愛すぎよ、ずるいよ、と好き放題感想を述べる。この作品は多分に総集編的な性格もあるが、不自然なノスタルジアでは決してなくて、むしろトリュフォー自身の自己解体・再構築とも言うべきもので、*3、ラストの展開は男も女も主体性のなさばかりが露呈していてとんでもない収束のさせ方なのだが、それでもトリュフォーの手にかかればひたすら感動的で美しい。そしてこの作品のだらしなさやら愛おしさを雄弁に物語るのは冒頭とラストを彩る珠玉のテーマソング!言うことは何もない。
 で、一旦ビルを出て夕食をとった。お洒落オープンカフェは後輩の女の子に「6さんがオープンカフェとか気持ち悪いです!」と大バッシングされたので、もう真っ平で、お米が食べたいですねということで、炒飯のお店に入り、安い焼き飯を食べた。上海ノスタルジック!そのとき、MP3プレイヤーを見せてもらうと、やはり一番頭には!!!があって、この人とはやっぱり仲良くなれそうだと思った。間が空いたので、ウェンディーズで珈琲を飲みながら、映画やら音楽やら本やらの話をしているうちに、僕はよくゲイの方に言い寄られるんですよね、という話から互いが遭遇した変態体験について語り合う。
 「石の微笑」を見てから、シャブロルはやっぱりとんでもない変態ですね、とか、ブノワ・マジメルは「ピアニスト」以来見たけどあんなに顎割れてましたっけとか、言いつつ、道玄坂を下り、お別れした。「また遊んでくださいよ」と言ったら「いいよー」と快く返してくれたので、僕はそういう社交辞令も本気で取る人間なのでやったぜ!という非常に幸福な一日だった。
 まーでもそんなこと置いておいて、大事なのは「石の微笑」はシャブロル屈指の大傑作だということで、決してグラマラスでないにも関わらず、妖艶で怪しいローラ・スメットの肉体は「完全なる飼育」における小島聖を思い起こさせ、今日的な「セクシーさ」のイメージへのアンチテーゼとして機能している。この辺は後日にでも。
 

*1:

宇能鴻一郎の濡れて打つ [DVD]

宇能鴻一郎の濡れて打つ [DVD]

*2:

ダーティハリー 特別版 [DVD]

ダーティハリー 特別版 [DVD]

*3:しかもそれは、90年代サブカルとか最近の北野映画とは別物のもっとスタイリッシュで上品で機知に富んだものなのだよ!!