Devil's Own

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紀伊国屋DVDより河出文庫を山ほど買いたい

 朝起きて、少しカーテンを開けると昨日と全く変わらないくらい雨で、予定もないし、お金もないし、今日は出かけるのはよそうと思った。電王が終わってから、冷蔵庫を開けると、卵しかないので、とりあえず目先のパン屋でクロワッサンだけ買って、スクランブルエッグを作って、食べた。
 フジロックにご一緒する友達が、26日夕方までテストらしく、鈍行の終電に間に合うか間に合わぬかという瀬戸際で、どうしたものかとなった。細かいことは気にせずハムスターの小屋を念入りに掃除してあげた。
 レポートを書かなくちゃいけないなぁとか思いながら、例の蒼井優表紙の「こころ」をぱらぱらめくっているうちに結局、通読してしまう。だって、やっぱり「こころ」は面白いのだ。多くの人がそうであるように、「こころ」は僕が一番最初に触れた漱石作品なので、思い入れはあるが、それでも世間の評価ほど「こころ」が優れているとも思えなかった。僕は悪女好きなので「虞美人草」とかが一番好きで、あとは「明暗」と「門」も大好きだが、久しぶりに「こころ」を読むと随分と素晴らしい気がした。漱石をもう一度読み返したいな。
 お昼から、夏初めの新入生作品上映会のためのエンディングクリップを作って過ごす。昨日購入した「逃げ去る恋」を被せてみると完璧だった。浅はか。二度もパソコンがフリーズして焦った。やっぱり、ノートパソコンで映像編集は辛い。特にプレミアとアフターエフェクトとフォトショを同時起動なんかさせてたら、物凄く熱くなっていて、多分彼の寿命は近いと思う。でも大体完成したからよいとしよう。
 雨が一向に止みそうになかったので、買い物は断念し、飯を炊いてだらだらとニーチェとか「映画千夜一夜」とかを読む。レポートやれよ。
 先週はサドの「ソドム百二十日」を読んでいたのだが、収録された短編の「悲惨物語」が最高に面白かった。サド、というか河出文庫が読みたくてたまらない。実をいうと河出文庫には読んだことのない本が沢山ある。先日デートしてくれた女性とも話題に上ったジャン・ジュネの復刊とかも読みたいし、バタイユの「空の青み」も実は未読だし、ビートジェネーションもまだ全然読めていないし、あとは既読だが「なしくずしの死」を読み返したくてたまらない。しかし、河出は高いからなんとなく別の文庫に手が伸びてしまう。大学には図書館という便利な設備があるのだが、僕は期限を守れないので、図書館の貸し出しはいつも通り差し止められている。大学4年間一度も図書館を利用しない奴だっているのに、どうして熱心に読んでいる僕が二週間も図書館利用を差し止められるのだ!と憤慨したくもなる。研究書とか論文の類と再読したものを抜くと大学3年生になってから、今年度になってから読んだ本も数えるほどしかない気がする。先日も結局「こころ」と「谷間のゆり」を買ってしまったのだが、よく考えたらどっちも読んだことがあるわけで、こういうのがよくないと思う。言うまでもなく「谷間のゆり」は最近ドワネルに会った関係でまた読みたくなったのだけれど、新潮版は実家に置いてきており、岩波版も読んだことがないのでと、買った。バルザックは最近比較文学の講義でも取り上げられていたし買ってよくないってこともないのだけれど。夏休みは新訳で出た「カラマーゾフの兄弟」と「ロリータ」を読みたいし、なんか一向に新しい本に触れていないのはいかん!お、そういえば僕は本谷有希子を読むんだった!
 「文学界」*1桐野夏生伊藤たかみの対談を読みながら夕飯を食べた。そういえば、そういえば、結構前に買ったにも関わらず桐野氏の「メタボラ」に全く手をつけていない。河出などと言っている場合か。ただ、言い訳をさせてもらうと、単行本でそこそこ分厚いために持ち歩くのが億劫で、時間のある日に読もう読もうと思っているのが、結局先延ばしになって今に至る。今日のような日に読めばいいのだけれど、さすがにこれからレポートの準備もしなくちゃいけないので、ちょっとなぁ。それにバルザックが読みたいし。
 全然どうでもいいのだけれど、米粒が残ったので、お茶を注いで食べていると、急にそのような食し方を酷く非難した昔の彼女を思い出した。現実は小津映画のようにはいかず、結局そういう食べ方に対して彼女が理解を示すことはなかった。別の女の子にその話をしたら「別にいいじゃんなぁ」みたいなことを言われた。ま、この子は普段から猫飯ばかり食しているからいいにしても、このときから、僕はその女性とずっと一緒にいることはないのだろうなと漠然と思った気がする。本当にどうでもいいのだけど。
 それにしても、昨日見たアルトマンの「ナッシュビル」はあまりに素晴らしかったから、今日のようなじとーっとした日でもなんとなくハッピーだ。元々僕はじとーとした日が好きなのでいいのだが。明日の上映も全部見たいのだけれど、友達にノートをコピーさせてもらわなくてはいかずに見に行けそうにない。授業を休んでいた自分が呪わしい。

*1:

文学界 2007年 08月号 [雑誌]

文学界 2007年 08月号 [雑誌]