Devil's Own

cinema, music, book, trash and so on...

2008eiga

 次に映画10本。ランキングではないけれど好きな順。

イースタン・プロミス』(デヴィッド・クローネンバーグ

『接吻』(万田邦敏

『カメレオン』(阪本順治

WALL・E/ウォーリー』(アンドリュー・スタントン

『ハプニング』(M・ナイト・シャマラン

トウキョウソナタ』(黒沢清

ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』(ポール・トーマス・アンダーソン

スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』(ティム・バートン

片腕マシンガール』(井口昇

『メルド』(レオス・カラックス

 やはりアクションが見たいのだ、と思う。何気ない風景とか、当たり前の日常とかそういうゆるいのはもう要らない。躍動する肉体と迸るパトス。本来は別々に捉えられた断続的なショットが巧みに連鎖することで、あたかも連続したひとつの運動であるかのように立ち現れる。この大いなる欺瞞こそが映画の魔法だ。
 その意味で、上位3本が圧倒していたと感じる。評判の『ダークナイト』にいまひとつノレなかったのもその部分で、ジョーカーの異形性には惹かれるものの、基本的にノーランはアクション映画を撮ることに失敗していると思う。だったら同じヒーロー映画でも、荒唐無稽なガキ魂に溢れるジョン・ファヴローの『アイアンマン』を擁護したい。そして、この3つに続くものといえば、『ウォーリー』しかない。ここ最近のディズニーの戦闘モードには瞠目するものがある。『崖の上のポニョ』が一見単純明快だが、その実深遠で普遍的なテーマを有する映画だということはここでも書いたし、ありがたいことに賛同も得ることができた。しかし、『ウォーリー』は同じようなテーマを更に簡潔に、ストレートに描ききってしまっている。『ウォーリー』の前だと、『崖の上のポニョ』もまだまだ衒って見えるし、気取っている。
 残りの6本はどれも、違った方向の映画であり、それぞれ魅力的なので、順位付けするのは正直言ってナンセンスだと思う。このブログでも取り上げたものがほとんどなので、特に説明はしない。次点としては、『ランボー 最後の戦場』、『闇の子供たち』、『靖国』、『イントゥ・ザ・ワイルド』あたり。
 旧作では、なんといってもダグラス・サークの『いつも明日がある』である。サークの映画は、去年のDVDボックス発売もあって、今年たくさん見ることができた。なんだかんだでこれが一番幸福な出会いだったような気がしている。
 というわけで今年はこんな感じでした。来年もがんばりましょう。それではみなさんよいお年を!!!!