Devil's Own

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イマとココから遠くはなれて−昆虫キッズのセカンドアルバム『My Final Fantasy』について


 夢見るオトナたちを誘うハーメルンの音楽隊、昆虫キッズがやってきた。
 甘くてこわい異界へつづく11の扉を、いま、たたく。
 

 やっぱり僕らは、音楽に連れて行ってほしいのだ。どこでもいい。イマとココを遠く離れたどこかへ連れて行ってほしい。胸躍る音楽は、いつでもどこかへ連れて行ってくれる、旅に出る気持ちにさせる。それが、ここ最近の音楽はどうだ。みんな、ふたりきりの世界へ安住である。お前らが「出会えたキセキ」も「あたしはここにいるよ」という主張も、みんなこの俺がぶち殺してやる。
 そんなことは、どうでもよくて、3月14日。これが、文字通りの最後の箱舟だ。昆虫キッズ『My Final Fantasy』。よく覚えておいたほうがいい。
 大して長い歴史でもないけれど、当ブログでは、昆虫キッズとそのフロントマン高橋翔の仕事を追ってきた。かねてから宣伝していたように、今回は高橋さんからの依頼もあり、インタビュー(というよりかなりの部分雑談)を基にこのニューアルバムのアナウンスも兼ねたレヴューを書かせてもらうことになった。高橋さん、遅くなって申し訳ありません。アルバムを手元に受け取ってから、もう幾度となく聴いている。どうにも一言で言い切ることのできない不思議な音楽だ。*1前作『ユウとユウコのために』にあった露骨な攻撃性はすっかり鳴りを潜めた。初めて触れたとき、このアルバムは、少なからずあなたに違和感を突きつけるだろう。M・ナイト・シャマランの近作に共通するような、ごろりとしたクエスチョンマークが投げ出される。しかし、そうした違和感も繰り返して聞いていくうちに少しずつ溶けていき、ゆるやかに日常へと浸透していく。それでいて、狂気は息を潜めて存在しているのだ。その浸透性ゆえに、ある意味でファーストよりもずっと凶悪なアルバムだといえる。この奇妙な音楽を読み解く、キーワードとなるのがタイトルにも冠せられたファンタジーという単語である。このアルバムは、虚構と現実のあいまいな境界をするりと通り抜けて、虚実入り混じる不思議な世界へと連れ去ろうとする。ハーメルンの笛吹き男が連れ去った子供たちは一体どこに行ったのか?そんな素朴な疑問に今でも取りつかれているダメな大人なら、きっとこの音楽が気に入るに違いない。
 ぐずぐずいっても仕方がない。高橋さんとの会話も交えつつ、このアルバムの一曲一曲を見ていくことにしよう。アルバム発売までにはまだ時間があるけれど、読む人が少しでも期待をもって聴けるような記事になれば幸いだ。

1.きらいだよ

 アルバム冒頭を飾るのは、紅一点メンバー野本夏代さんのペンによる穏やかな楽曲。野本さんは、前アルバムの収録曲『スイートガール・スイートホーム』でサイドボーカルとして参加して以来メンバーとなり、その後のシングル『アンネ/恋人たち』(両者とも名曲!)でも一部ボーカルやコーラスを担当しており、楽曲の魅力に一役も二役も買っている。いまや、昆虫キッズのもうひとつの顔ともいえる彼女のボーカルをコラージュ的に重ねていき、ボーカロイド楽曲のような印象も残すサイケデリックな一曲だ。いずれにしても、新作での昆虫キッズがこれまでとは全く別のステージへ進んだことを知らせるのに申し分ないオープニング。

2.ブルーブル

 2曲目は打って変わったストレートなロックンロール。バズコックス、マガジンあたりのマンチェスターパンクを髣髴とさせる、切り裂くようなベースとボーカルが気持ちいい。歌詞の当初のモチーフは「SMロック」だったのだそう。

高橋翔(以下T):(この曲は)前からあって、4人編成になってから、割とロックバンドっぽいシンプルな曲をやりたいなってできた。ライヴでやりたいかなって。
ダイシックス(以下6):シンプルだけどライヴ栄えする曲は増えましたね
T:そうだね。歌詞も、結構何度も書き直して。歌入れの直前とかにもほとんど書き変えちゃって。自分のテーマとしては『SMロック』。変えたのかな?前は「もっと縛ってください」みたいな詩があったな・・・相変わらず歌詞には意味がないから。
6:そうですね(笑)
T:聴いた人が考えてくれれば。こちらから「こういう意味です」って歌詞はないな。
6:でも深読みさせる歌詞が多いですよ。
T:それは狙ってる・・・。狙ってる・・・つもりなんだけど、あんまり伝わってないような(笑)
6:どうやったらこんな言葉でてくるんだろうって思ってそれが楽しみです。でも高橋さん自身は、すぐに歌詞とか書き変えちゃったりして、作った途端に興味を失ってしまうみたいな感じなんで、こっちは深読みせざるをえない。やっぱり作ってる過程とかのほうが楽しいんですかね。
T:それはあるね。一回、対外的なものになってしまうと、自分のものじゃないような気がするんだよね。そういうのはずっとある。

3.まちのひかり

 現在マイスペースで複数のヴァージョンが公開されている本作のリードトラック。オーソドックスなリズムに、フルートとキーボードが重なり何ともお洒落なイントロに期待が膨らむが、通常の3割増くらい脱力した高橋さんボーカルが始って愕然。隣の部屋の酔っ払いのハミングを壁越しに聴いているかのような、奇妙ないたたまれなさが強烈な印象を残す楽曲だが、不思議と聴いているうちに愛さずにいられなくなる。アルバム全体の奥深さはこの一曲に代表されているといってもいい。

T:結局アルバムから一曲ピックアップするとしたらこの曲になるのかな。もし、この曲気に入った人がアルバム買って聴いてみたら「・・・?」ってはなるとは思うんだけど(笑)
6:これに似てる曲ってないですよね
T:そう、だからある意味一曲だけ浮いてるんだけど
6:一番昆虫キッズっぽいかなとは思って。でもよくよく考えたら今までにはなかったですよね。
T:結構、フルートとかキーボードとか入れて。
6:お洒落な感じを。
T:そうそうそうそう。ゴージャスな感じを出してみたんだけど。
6:シティポップ調でユーミンが歌いだすかのような、でも実際歌いだすのは高橋さんなんですよね(笑)それも、いつもより数百倍ふらふらな唄い方の高橋さんが。
T:(笑)
6:となりの部屋の人の歌声を聴いているような(笑)
T:唄い方はね、自分で、気取った感じでやってみた。普通の唄い方もたぶんやればできるんだろうけど・・・なんだろう、自分の中で一回イメージが湧いちゃうと、それに愛着が。周りには結構言われるんだけどね。

 『まちのひかり』というタイトルや、小奇麗なサウンドプロダクションから連想されるのはポップで可愛らしい都市のイメージ。一方で、搾り出すように唄われるのは「ゾンビ」「埋立地」など退廃的で荒涼とした歌詞。ここにきて、ファンタジーというひとつのコンセプトに対する高橋さんの考えが垣間見えてくる。

6:『まちのひかり』っていうタイトルとか、このちょっとお洒落なサウンドとかはいわゆる僕のような地方から出てきた人間にとっての「東京」なんですよ。大文字の。きれいにパッケージされた。でも、実際そんなものじゃないし。
T:そうだね、突き詰めると寂しい曲なのかなっては思うけどね。
6:都市という、人がたくさん集まるんだけど空虚というか、そういうものに対する高橋さんの愛着があるのかなとは思いました。アルバム通してみて。
T:タイトルもそういうイメージでつけたかもしれない。ファンタジーってなんか絵空事というか。たとえば御伽噺でも、シンデレラとかさ、「ふたりは幸せに暮らしましためでたしめでたし」って・・・「いやその後なんかあるでしょ!」みたいな。「色々あるでしょ?」みたいな。そういうのが昔から小さい頃、童話とか読んで気にはなることが多々あって、テーマとしてあるのかなぁ。
6:そうですね。でも高橋さんって基本はロマンチストじゃないですか?
T:そうだね(笑)
6:だからファンタジーの甘い部分には勿論惹かれてるんだけど、そういうものの裏側とかもどうしても見てしまう。
T:そうそう、セットの裏とかね。「あ、ベニヤなんだ」みたいな(笑)
6:そうなんですよね。でもその軽薄さにも惹かれる部分はあるんですよね。
T:そうそう。割とそういう裏側とか見えちゃうと幻滅するとかいう人もいるんだけど、そこをなんで可愛いと思えないのかなって。
6:そうですよね。
T:ディズニーランドとかもそうじゃん。帰り道、周りでさ、なんだろうあの殺伐としたさ(笑)あーいうの見てっと変にときめくんだわ。「帰ってきた俺!!」みたいな。
6:東京だって一歩はいると「アー○フ帰れ」みたいなのが貼ってあるんですよね。*2アーレ○だってファンタジーもってたわけでしょう?
T:そう。彼らもそうだよね。行動としてはダメだったんだけど、夢一杯だったんだよね。バランスだよな。ぎりぎりのところ。
6:そこで曲を作れば勝ちなんですけどね。サリン巻いちゃったらやっぱりダメですもんね。

4.わいわいワールド

 ファンタジーが僕らに見せてくれたきらびやかな世界。いつまでもそこで戯れていたいと思う一方で、こうしたファンタジーの軽薄さ、空虚さにも気がつき始める。大半の人々が、こうした世界から「卒業」するわけだが、それでもなおこの世界に踏みとどまらずにはいられない人間たちも世界には少なからず存在する。空虚な幻想に絡め取られた大きな子どもたち、である。それがいいのか悪いのかはまだ誰にもわからない。少なくとも昆虫キッズの音楽は、そうした甘い世界への誘惑を喚起するし、高橋さん自身もファンタジーへのオブセッションが自らの創作意欲につながっていることを確信しているようだ。コナミシューティングゲームからそのタイトルを拝借したという『わいわいワールド』は、弾き語り調からサビに向かってゆるやかに上昇していく昆虫キッズらしい一曲。さりげなく押韻していくリリックも楽しいが、ここでまたファンタジーというキーワードが登場する。

T:ファンタジーっていうのがまた出てくるんだけど、Bメロで「チャーリー僕を置いてかないで」って。これは昔見た『チャーリーとチョコレート工場』の。
6:あーなるほど
T:自分ではそのチャーリーで・・・それかチャーリー浜みたいな(笑)
6:(笑)
T:僕がチョコレート工場連れて行かれると置いていかれるんだろうなって思うんだよね。前半で死んじゃう子供なんだろうなって思って。
6:あー僕も完全にそうですね。
T:あと最後、たぶん聞こえてないんだけど、「フォーエバー もうええわー」って叫んでて、その韻の踏み方が結構自分の中で気に入ってる(笑)
6:やっぱり僕たちもう大人になっちゃってファンタジーとか言ってられない年になっちゃったんですよね。でもファンタジーに惹かれる部分があって、たぶんそれって社会的にはダメな人間だとは思うんですよね。
T:そうだね。サラリーマンでファンタジーっていってる人っていないよね。
6:でも言わなきゃやってらんないというか、ファンタジーを通してリアルを見てるんですよね。ファンタジーとリアルの境界ってない。
T:その線引きってできないよね。自分たちが非現実って思ってることを現実って思ってる人って必ずいるから。合わせ鏡っていうか、行き来できるところがあるよね。
6:そういうあいまいな境界部分で遊ぶことに惹かれてるみたいなのがありますよね。
T:冷めてる部分と笑っちゃう部分が振り切れてるかな

5.シンデレラ

 続く5曲目は、アルバム中最もキャッチーなメロディーを持った『シンデレラ』。YouTubeなどでライヴ演奏の映像が比較的早くから公開されていた曲でもある。動画が公開されたときから、エッジの効いたギターフレーズとしなやかなベースの掛け合いが文句なしにカッコよく、理想的なギターロックだと感じたが、アルバム収録ヴァージョンでは、ギターのアレンジも柔らかくし、テンポダウンすることでより「うた」としての強度にフォーカスしたテイクになっている。『まちのひかり』に続き、本作2度目のハイライトともいえる名曲だ。

6:『シンデレラ』は結構YouTubeとかにも載せてましたね。
T:そうだね、こんな中では1番か2番目かに古い曲かもしれないな。4人編成になってからできた。もともともう一人のギターの冷牟田君の曲で、それをやってって。今回はライヴでやってる曲がけっこう多くって。シンデレラは毒にも薬にもならないように見えるけど、こういう曲もやっぱり必要。
6:一番ポップな印象ですよね。YouTubeに載ってたバージョンではもっとギターも尖がった感じでしたけど、ソフトになってますよね。
T:テンポも落として。
6:歌謡曲っぽいアレンジに。
T:感触はもっとやわらかくしたくて、Jリーグみたいなコーラスも入ってて(笑)

 ベン・シャープスティーンによるディズニーアニメが製作されてから、多くの成功物語やプリンセスストーリーのメタファーとして親しまれてきた物語をタイトルに冠するこの楽曲もやはり、ファンタジーという要素抜きにして語ることはできないだろう。タイトルは勿論のこと歌詞の中にも「ガラスの靴」「かぼちゃの馬車」といった用語が意図的に散りばめられており、『シンデレラ』、引いては子供たちを惹きつけてきた夢物語そのものへのオマージュが捧げられている。しかし、高橋さんがシンデレラの姿を幻視するのは、夢見がちな少女でも自立心の強い現代的女性でもなく、新宿で始発を待っている疲れきった中年女性であった。「夜明けの新宿で始発を待っている年老いたシンデレラ」。この曲は、シンデレラ本人ではなく、かつてシンデレラだった少女たちへ捧げられた、「その後」についての歌である。

6:歌詞は結構
T:物語っていうかストーリーがあるかんじなのかな。俺の曲ってだいたい一言で完結しちゃうような感じだけど。この曲は割りと「夜明けの新宿〜」って。
6:情景描写も豊富ですよね。
T:そうだね。で、ホームに立っているおばさんがもし若い頃にシンデレラだったらっていう想像から。
6:かぼちゃの馬車とかガラスの靴みたいなファンタジックな用語もちりばめつつ、現実の殺伐とした風景も描出しつつ。
T:そのおばさんが昔はかぼちゃの馬車だと思って乗ってたんだけど、いまや東武東上線みたいな(笑)
6:そうなんですよねぇ。でもどっちが幸せかってのは・・・。
T:わかんない。
6:「魔法がとけなかった」っていう歌詞はすごい素敵ですね。
T:あ〜。
6:「とけてないんだ」って思って、ここは結構深いなと。
T:あ・・・言われてみればそうか。
6:(笑)どうなんですかここは。
T:なんだろうな・・・・・・なんか抱えて生きてくってことなんじゃないのかな(笑)人によっては迷信だったりジンクスだったりすると思うんだけど、そういうものって誰にでもあるよね。音楽でもモノでもなんでもいいんだけど、人がある以前にモノがありきというか、なんか・・・寂しいんだろうな(笑)

 そう、僕は「そしてあの子の魔法とけなかった」という最後のフレーズにとても惹かれた。魔法というのは、自分の力ではない。シンデレラは、魔法を使ってしか自分の幸せをつかめなかった。その後ろめたさや犠牲はどこにいってしまったのか。こうしたものを忘れたままできること自体が魔法なのではないかという気にさせる。そしても僕たちも、多かれ少なかれそうした魔法の一種を拠り所にしながら生きていかなくてはならない。なぜなら生きるということは、誰かを傷つけるリスクを伴うからだし、僕らは多かれ少なかれそれを忘れて生きていかなくてはならないからだ。それは、僕らを直接ハッピーにするのではなく、不幸や悲しみを少しでも和らげるための、必要悪としてのファンタジー。『シンデレラ』という楽曲には、こうしたファンタジーの偽善すらも受け入れようとする、諦念と愛情が入り混じった眼差しがある。

6.27歳

 『シンデレラ』で高まった緊張感を再び解きほぐすような、ダブテイストで始まる『27歳』。脱力したムードの中にナンバーガールを連想とさせる鋭いギターが割り込み、4人のロックスターを声を嗄らして叫びまくる。『27歳』という変わったタイトルもこの4人の享年に由来したもの。

T:うん・・・これはうちの某メンバーが27歳なんだけど。
6:あ、そうなんですか。
T:これなんだろうね・・・もともと仮タイトルは『ロハス』だったんだけどね(笑)
6:ロハス
T:これもうたまたま、今年の春くらいにスタジオで作って、ギターのフレーズから派生していった曲なんだけど。最初ぼんやりした曲だったんだけど、ギターの感じがしゃれてたから、そのまま少しずつ組み立てていって、ずっとロハスロハスって呼んでたから自分の中でもずっとロハスだったんだけど。
6:(笑)
T:最近ようやく『27歳』で馴染んできたんだけどね。これもぎりぎりまで歌詞とか直してたんだけどね。もともとギターの彼が歌うはずだったんだけど。なんかイメージ的に俺が歌ったほうがいいなぁって勝手に思ってて、ま、俺が歌うことになったんだけど。歌詞は、途中往年のロックスターが、ブライアン・ジョーンズ、ジム・モリソン、ジャニス・ジョップリンジミ・ヘンドリックス、って叫んでる。彼らは27歳で死んだから。
6:あ、なるほど。
T:一応意味はね。
6:そういうことか・・・夭折したロックスターへのオマージュを。
T:オマージュを捧げつつね(笑)甲高い女の声みたいに歌っちゃったりして。なんか浮遊感があって。こういう転調の曲は昆虫でやりやすくて。

7.かわうそのワルツ

 『きらいだよ』、『わいわいワールド』などと同じくトリップ感があるナンバーのひとつだが、そのどれよりもシンプルな印象を持つ本作。音数も少なく、一聴すると最も地味な楽曲だが、「かわうそ」という一風変わった動物をモチーフとしたことも含めてインパクトも強い怪作。アコースティックなサウンドの中で反復し応酬するコーラスラインが、気持ち悪いような気持ちいいような、そのうち油断しているとある種の中毒性を伴って迫ってくる。何か、やばい音がしている。アニメーションのPVが制作されるかも、とのこと。『まちのひかり』と並び、アルバムのもうひとつの「顔」ともなる重要曲。

6:かわうそのワルツは、けっこう可愛い曲ですね。童謡みたいで。
T:そう、まさにNHK教育で流れてほしいっという。悪夢のようなメロディーが(笑)
6:そうですね。コーラスの応酬はなんとも呪術的な・・・。
T:読経のような気持ち悪さがね。
6:「着水」っていうワードだけがポップに響いてくる。ある意味可愛く、ある意味不気味な曲だと。
T:かわうそっていう動物がさ・・なんか可愛く見えるけど、ちょっと怖いもんね。なんか独特だよね。
6:獰猛なイメージもありますよね。
T:これはライヴでやるとみんな唖然としちゃうんだけどね。
6:(笑)
T:俺はライヴでやるの結構好きなんだけど、ライヴではやっぱり流れとかあるじゃないですか?
6:はいはい。
T:確実に流れをストップしてるっていう。
6:(笑)・・・浮遊感みたいなのは『27歳』とか・・『きらいだよ』とかもそうですけど、ちょっとサイケ系統の曲ですが、この曲はもっと下のほうで低空飛行している感じですよね。
T:そうそう。元々ぐらついた曲だったのがさらにぐらついてしまって。かわうそに申し訳ない(笑)

 やはり気になるのは、かわうそという少しマイナーな動物を敢えてモチーフに選び取る高橋さんの言語感覚。かわうそをめぐって、会話も音楽とは全く関係のない方向に進んでしまった。これは、読んでても案外面白かったので少し長いけどそのまま掲載することにしよう。

6:かわうそっていうのがいいですね。
T:動物とかそういう固有名詞出すのが結構俺好きで。名前とかまあ『27歳』もだけど。
6:かわうそってそんなにフィーチャーされない。
T:そうだよね、結構地味な動物だけど、割と地味な動物好きなんだよね。
6:なるほど。好きな動物かわうそって言われたら、困りますもんね。
T:困るよね。
6:話広がらない。
T:画が浮かばないもんね、なんとなく水辺にはいるけど。
6:ビーバーとかとちょっと被ってるみたいな。
T:そう。でも、ビーバーとは違うんだよね。
6:それで敢えてかわうそ。でもかわうそみたいな、ちょっとフィーチャーされにくい動物に惹かれる感じはわかります。
T:そうだよね。もっとマッチョな人は『ライオンのロック』とかつけるんだろうね。
6:そうですね(笑)
T:長渕剛は『金色のライオン』って歌ってるもんね。
6:まどみちおなら『ぞうさん』ですね。
T:なんか弱い動物が好きなんだよね・・・というか裏で何してるかわからない動物。
6:ずるそうですもんね。かわうそ
T:そうそう。ずるそうだよね。
6:ディズニーアニメとかで結構小賢しいポジションで登場するような。
T:そうそう。
6:頭は良さそうかな。
T:うん。たぶん魚とか採るときもさ、卑怯な仕掛けなんだろうなぁ。基本、楽したいみたいな。
6:「卑怯なコウモリ」的な。
T:(笑)
6:でもコウモリは、卑怯動物の中では定番ですからね。
T:そう。バットマンもあるし、ダークヒーローみたいな。
6:かわうそは、ちょっとね。
T:なんかね・・・そこにも行けてないよね。
6:かわうそでそんなに盛り上がれないですもんね。
T:そう曖昧だよね。みんな認識が曖昧だよ。
6:そうですね。
T:なんかやっぱかわうその生態は気になるね。
6:「かわうそさ・・意外な性質があってさ・・」みたいな。
T:動物園にもいないもんね。
6:そうですね。でも僕、ちょっとマニアックな動物はちっちゃい頃から好きでしたよ。
T:あーそうなんだ。
6:いまメジャーになっちゃいましたけどカピバラとか好きでしたもん。
T:あー!!俺今地味な動物って挙げようとした時にカピバラって言おうとしたんだけど今結構レギュラーじゃん。
6:そうですね。今や絶好調でしょう。
T:だいたいバクとかと一緒にいない?俺昔多摩動物公園いったときバイソンと一緒にいたな。
6:(笑)
T:すごい不釣合いなんだよ。バイソン見て「おーすげー」とか言って見てたら、後ろのほうでカピバラがとことこと・・・。
6:(笑)そこで誰もカピバラに目いかないですね。
T:そう。その報われない感じは、ちょっと応援したいね。
6:あと僕ワラビーなんかもちょっと良かったかな。
T:ワラビー。あー!でもカンガルーいるから。
6:そう。「だってもうカンガルーがいるじゃん」みたいな二番煎じ感を免れない宿命を・・・かわいそうだなぁ。
T:そのへんの位置からさ、一気にメジャーにのし上がったのはレッサーパンダだよね。
6:あれは勝ち組ですね。
T:一気にスターダムだよね。
6:そうですね。かわうそもこの曲で何とか。
T:(笑)
6:かわうそ愛護協会から表彰状が送られるような。
T:ねー。いい動物だと思うんだけど。
6:あの、さっきのコウモリがバットマンってので思ったんですけど、仮面ライダーとか。
T:うん。僕好きだよ。
6:結構動物とか・・・怪人にしたがるじゃないですか。
T:そうだね。
6:かわうそ怪人とか・・・出てきそうですよね。中盤27話とかのネタ切れ時期に。
T:なんか、本当にいそうだよね?
6:いるでしょう、たぶん。
T:かわうそかビーバーかわかんないけど水辺の、肉食系の。
6:そうそう、でもそんなに強敵ではなかったっていう・・・完全に一話完結仕様の。別に中ボスとかでもなく。やっぱそのクラスになるとヘビとか。
T:そうそうそう、毒もってるやつじゃなきゃね。
6:「今週はかわうそかぁ・・・ショッカーも困ってんな」みたいな。
T:武器が前歯しかねーじゃん!
6:そうそうそう
T:飛び道具じゃねーじゃんっていう。
6:なんか「150ノットで泳ぐことができる」って必殺技の項目に書いてありそうな。
T:阿漕な戦い方するんだろうな。
6:そのへんの、中堅にすらなれない悲哀に満ちた。
T:そうだね・・・ショッカーとかにも色々言われてるんだろうね。
6:(笑)
T:「おい、今週かわうそだって」「マジで?」
6:「あ、ぜってー勝てねー」
T:「やる気でねーな」
6:「俺休むわ」
T:「シフト変わってほしいんだけど」
6:そんな感じですよね。多分今、日本で一番かわうそについて熱く語ってるエリアだと思うんですよねこのテーブル。
T:そうだね、台風の目。
6:こんなにかわうそで盛り上がるとは・・・でもまじめな話、高橋さんの歌詞ってそういうふうに結構、なんか知ってるけどそんなに知らないみたいな盲点に気づかせてくれるような・・・「なんでそこに注目しちゃうんだろう、その視点はなかったわ」っていう気にさせるものは多いんですよね。そういうのはいつも楽しみにしてるから。『かわうそのワルツ』もけっこう。
T:そうそう、でもイマジネーションって、そういうちょっと考えれば楽しめちゃうみたいなところはあるからね。今みたいに、かわうそで個々の情景から無理やりに広げてあげるのが楽しいんだよね。

8.茜の国

 『茜の国』は、これまでの昆虫キッズのサウンドに最も近い質感の一曲。暴力的なサウンドと、少し遠くから聞こえてくるようなボーカルの距離感などファーストに入っていても違和感ないだろう。これまでのゆったりとした流れを断ち切って、再び戦闘モードに入るようなテンションだが、唄う内容は、ギターだけが仲良しで夢想的な世界に遊んでいる茜というひとりの少女をめぐる物語調になっている。

T:ごめん、これが一番古いのかな?これはベースの野本さんが入る前に一応3人でやってて。
6:これ結構一番聴きやすいくらいの。
T:え、ホントに?!
6:って僕は思ったんですけど。
T:えらいジャンクサウンドだなって思うんだけど。
6:こういう曲なんだって把握しやすくて。
T:そうだね展開は・・・。
6:聴きやすいというか、こちらがわからアプローチしやすいなと思った曲は『シンデレラ』と『茜の国』と『胸が痛い』だったんですよ。
T:そうだね、説明はしやすいかもね。『27歳』とか説明できないもんね(笑)
6:そうですよね。この歌詞は・・・。
T:一応「茜」って言う人が主人公だとは思うよ。「茜はギターを弾いてる、ブルースを聞かせてくれ」っていう。で後半になると、「三つ編みの少女が野原で元気にカンタービレ」ってずっと連呼してるんだけど・・・ま・・・(笑)
6:(笑)
T:なんのことか全然わかんないよね(笑)
6:これは、勢いがあって。
T:うん、ギターカッコいいよね。
6:サビもカッコいいし。
T:っていうジャンクなロックンロールですね。
6:この27歳とかわうそのワルツってゆったり目なムードで来てて。
T:ちょっと流れを変えていきたいなぁって。

9.恋人たち

 先にシングルとして発売されていた傑作『恋人たち』の登場である。軽やかなキーボードの音色に始まり、ギター、ベース、ドラム、ボーカルが一気に流れ込んでくるカタルシスが筆舌尽くしがたい屈指の名曲であり、同時収録された『アンネ』も含めシングル盤は必携だが、今回はボンゴのリズムに始まり、ピースフルなアレンジに様変わりしたアナザーテイクを収録。だがこちらもオリジナルに遜色ない素晴らしさ。後半は、前作のラストに収められた『スイートガール・スイートホーム』を髣髴とさせる眩しくて刹那的なパーティームードが溢れ出して来る。

6:これはヴァージョン違いですね
T:うん、本当はシングルのヴァージョンのテイクもあったんだけど、ちょっと自分の中でイマイチになってて、でライヴでテンポ落としてやってみたりしていたから、それでちょっと録ろうってなりまして、最初のボンゴとかも入れつつ、少しレゲエタッチな
6:そうですね、ぐっとゆったりになって。かなり後半はパーティー感溢れる感じに。
T:そうそうパーティー感ってやっぱ大事だから!(笑)
6:シングルの曲をアルバム用で取り直して、ちょっと早くしたり遅くしたりするのってよくあるじゃないですか?
T:そうだね。
6:僕そういうのであんまりいいって思ったことは実はないんですよ。
T:あ、そうなんだ(笑)
6:でも、これは両方ともかなりいい曲になってて、気に入りました。
T:なんか別の曲になったよね
6:そうですね、だからいいアレンジだなって思ってて。で、新しい方聴いていると、前のヴァージョンも聞きたくなるし。

 と、ここでテープの片面録音が終わっていることに気がつかずに話し続けるというミスを踏んでしまい。次の『いつか誰とも〜』までのインタビューが欠落してしまっている。申し訳ない。要するに『恋人たち』は、全く別の曲として生まれ変わっており、その双方が魅力的だという理想的なリメイク作品となっている。終盤のコーラスラインが、「Do You Wanna Rescue Me,Baby?」から「I've Got a Feelin',Baby.」に変わっていることも、何か象徴的といえるかもしれない。
 

10.いつか誰とも会わない日々を

 『恋人たち』でのハッピーなムードとは打って変わって、というよりむしろアルバム全体の印象を大きく翻す大作だ。「こんな歌聴かないでくれ」という身も蓋もない歌詞を、アコースティックギターに乗せて静かに唄い始めるこの曲は、終盤には真っ白なギターノイズの中でひたすら絶叫するという激情迸る展開となる。曲に振れ幅はあったものの、これまで一貫して見られた感傷的なロマネスクやそれを煙に巻くユーモアセンスといった少年性はここにはひとかけらもない。そこには、圧し潰すような荒涼とした孤独を前に、自らの実存を全身全霊で主張する「声」があるだけだ。ファンタジーを物語も存在しえない、圧倒的な没コミュニケーションの彼岸にある(であろう)不在の「歌」。究極的に言えば、「いないこと」についての、誰にも歌われず、誰にも聞かれない「歌ならざる歌」なのだ。その切迫感はとにかく圧倒的。自分へのレクイエムのつもりで書いたというこの異色作について聞くうちに、自己矛盾すらも糧として受け入れる底なし沼のようなファンタジーの欲深い本質が浮かび上がってくる。

6:終盤はかなりエモーションが迸ってしまう感じの。
T:そうだね・・・完全に壊れてるから
6:だって、仮にこれ聴きながら寝てると・・・大変なことになりますから。
T:(笑)
6:9曲目まではいい感じのテンションが上げてきて、「歌を聴かないでくれ」という歌詞が飛び出してくる。
T:そうだね。
6:「あー、また言っちゃったよ」っていう(笑)
T:(笑)「恋人たち」までかなり楽しい感じになってるんだけどね。やっぱ帰ってくると寂しくなったんだろうね(笑)
6:誰とも会わないっていうのが、印象的ですよね。没コミュニケーションといいますか、「まちのひかり」ですら二人くらいはいるわけですよ。この曲は、本当にひとりになってしまって誰に向かって歌っているのかもよくわかりませんよね。どうですか、この曲。なんだかんだで一番エネルギーがある曲だと思うんですけど
T:そうだね。歌詞もちょっと重めなのかな。自分でこの曲作ってるときって自分の葬式イメージしたんだよね。自分が死んだときこういう曲だといいなって。自分に対するレクイエムというか。タイトル自体はいろいろ連想させるし、アルバムの流れで聞いていくと異端というか。
6:そうですね、一番、エゴというか、自分の中の一番深いところにもぐっていく曲ですよね。かなり異色ですね。いつか誰とも会わないという感じには惹かれるんですけど。
T:タイトルから見ると結構矛盾しているんだよね。ぶっちゃけて言うとたぶんこれは死んでしまった後のことみたいな感じなんだけど、日々をって言っちゃってるじゃない。だからどっちなんだろうっていう。だから単に、誰とも会わなくてずっとインドアな日々を送ってるだけかもしれないし・・・唄ってるとすごく寂しい気持ちにはなるね。
6:死ぬことより寂しいことじゃないですか。誰にも会わず、誰にも知られない状況になることって。
T:そうそう。死んだっていうのも他人があって死んだって認識されるわけじゃん。
6:そうですよね。例えば、このCDが発売された直後に地球が滅んで、このCDだけはあって、その後何億年後とかに新人類が生まれて発掘されました。
T:(笑)遺跡みたいな。
6:でも、何を唄ってるかはわからない。ていうかむしろ新人類すらなくて、CDプレイヤーにこのディスクが入ってて地球滅んだ後も鳴り続けているとか、誰も聞いていないのに・・・そういう寂しさについての曲だと思うんです。
T:誰もいないんだけど、その場所ってすごく広いイメージがあるんだよね。
6:そう、その誰もいない寂しさって誰にも感じられない寂しさですよね。
T:そうだよね、この曲は、歌っている人間すらもすでにいないような曲だから。
6:誰にも聞かれない曲って存在するのかどうかですよね。
T:そう、だからやっぱり矛盾しているんだけど、その矛盾が不思議と成立してるんだよね。矛盾として圧倒的に正しいっていう。あっけらかんとしてるけど、そういうイメージはあるかなぁ・・・。

 不在についてを叫び続けるこの歌が投げかけるのは、語る主体、想像する主体なしに物語は成立しうるのか、というファンタジーの自明性にも関わってくる問いかけである。誰にも語られることなく、誰にも聞かれることなく、それでもそこに物語が存在すること。そうした不在と存在の二面性について想像することは、奥深く暗い深淵を覗き込むような怖さがある。それを人は、死と呼ぶかもしれないし、忘却と呼ぶかもしれない。あるいはもっと別の何か。ただ、こうした問いかけすらも既に魅力的なファンタジーとして成立しうることは明らかだ。あらゆる矛盾やパラドックスすらも呑み込んでいく貪欲さが、ファンタジーの恐ろしさでもある。物語は、そこに生れ落ちた瞬間からすでに語り手から遠く離れたところにいる。作り手が愛情を持って『My Final Fantasy』と名づけたこのアルバムも、途端にその思惑を離れて、一人歩きし、変容し、やがて平然と親を裏切るだろう。自分の曲を自分へのレクイエムだと言ってのける発言に、こうしたファンタジーの罪深い性格をも受け止めようとする覚悟がにじみ出ている気がした。

11.胸が痛い

 アルバム最後を締めくくるのは、全曲の切迫した雰囲気を払拭するシンプルで元気のいいロックンロール。クラッシュ、ラモーンズ直系の速くてカッコよくてちょっと切ないいつでも一発でみんなを夢中にさせたロックンロールだ。歌詞には、前作のアルバムを締めくくった名曲『スイートガール・スイートホーム』も登場する。

6:すごく深遠な問題を残しつつ終わる。この曲(『いつか誰とも会えない日々を』)で終わるとかなりキツイっすよね。
T:そうなんだよ。それは結構考えた。やっぱ、今回は、なるべくポップで明るい感じは残したかったし。
6:これはかなり、オーソドックスで正統派のパンクロックですよね。
T:そうです。もう、最後は中学生でもできるような、難しいことはやらずゴー・ゴー・ラモーンズみたいな感じな
6:これ最後にもってきたところで落ち着きますよね。終わりだなって感じの曲ですよ。どの曲が最後に来ても勿体ぶった感じになっちゃった気がするので、この曲で。
T:クロージングできてるよね。
6:安心してまた最初から聴きたくなるような。
T:(笑)
6:「スイートガール・スイートホーム」という歌詞が。
T:そうそうそう。これもギリギリまで歌詞書いてて、なんとなくどれもしっくりこないで、「スイートガールスイートホームオールアローン」っていったときにあーいいなと思って。
6:やっぱり「スイートガール・スイートホーム」って高橋さんの中では重要な曲なんですか。
T:そうだな、やっぱり何か象徴する曲ではあるかもしれない。自分がこのバンドをやってる上で。そのフレーズを盛り込むことで、これまでの曲がつづいているような。そういうのちょっと好きなのかな、ほかのバンドでもそういうのいるじゃん?
6:物語的な感じですよね。「本当のことを君に話そう」っていう珍しく素直な歌詞が(笑)
T:そうだね!素直だね!素直なつもりで書いたし。でも素直になろうって思って書いたものって果たして素直なんだろうかね。
6:そうですよね。
T:そうでしょう?でも世の中ってそういうことが多々ある笑たぶん、本当の素直ってなかなかできないと思うんだよ。
6:(笑)
T:俺はやっぱりつまらない現実より面白い作り話のが好きだし。この曲も「ストレート」ってことを意識しながら書いてるし。

 この曲で最も感動的なのは「ファンタジーもっと僕らに頂戴」というラインだ。50分弱のこのアルバムに濃縮されたあらゆる思いが、このラインに集約されているといっていい。ファンタジーは、脆くて儚くて軽薄で嘘つきで、おまけに生みの親すら平気で裏切るロクデナシだ。それでも、まだまだ僕らはファンタジーを、物語を求めずにはいられない。よくよく考えれば、長い歴史で人類がファンタジーを欲望しなかったことが未だかつてあっただろうか。僕らは生まれてから死ぬまでずっと、ファンタジーを、物語を、想像し、消費することを求め続けている。だから、音楽にも、どこかへ連れて行ってほしい。イマ、ココではない遠く離れたどこかへだ。
 退屈なポップシーンに失望することはない。音楽は、物語は、まだまだずっと遠くに行ける。

MY FINAL FANTASY

MY FINAL FANTASY

*1:高橋さんには伝えたけど、敢えて一言で言い切るなら「タモリ」だとは思う。

*2:このインタビューを録る前の雑談で、高橋さんが住んでいるところの近所に例の教団の関係施設があるのか、こういう殺伐とした張り紙をよく見かけるという話になったのでその話から。