Devil's Own

cinema, music, book, trash and so on...

「私はまわりを見渡したが、神は見当たらなかった」

「6君は休日とかは何してるの?」
「休日ですか・・・映画観たり、本読んだりしてます。」
「えー、外とか出ないんだ」
「出ますよ。映画館とか本屋とか」
「スポーツとかやんないの?」
「やらないんですよね」
「パチンコとか麻雀とかもやんないんだよね」
「はい」
「・・・・・・それ、楽しいの?」
 という会話が、先日僕と会社の先輩との間で交わされた。余計なお世話だぜファックオフ!!である。本当にくだらないよ社会人は。面白い人もいるけどね。
 えーっと、先日会ったK君、とりあえずメールください。宜しくお願いします。
 映画は暇を見つけて観てはいるのだが、まとまった文章を書くことが出来ない。とりあえず、印象に残ったものを備忘録として記しておくことにする。
四川のうた

 『世界』や『長江哀歌』に関しては積極的に評価しようとも思わないが、ジャ・ジャンクーの映画を急に観たくなる、ということはある。8人の男女が、巨大国営工場「420工場」の閉鎖をめぐって虚実入り混じるエピソードを淡々と語るインタビュー映像。文化大革命、大飢饉、ベトナム戦争、高度経済成長を背景とした彼らの昔話を通じて、中国の現代史が大きなうねりとして立ち現れてくる。この映画の主役として鎮座しているのは、語りであり、うたである。『レイチェルの結婚』を見てから、「さよなら」という言葉について考えるようになったが、ここでも「さよなら」の言えない別れが続出している。工場が崩れ落ち、濛々と巻き上がる砂埃がゆっくりカメラに向かって近づいてくるカットが忘れがたい。
セブンティーン・アゲイン

 面白すぎ!アダム・シャンクマンのプロデュース作には今のところ外れがない。仕事も家族もうまくいかない37歳のルーザーが、「守護天使」の力によって17歳の肉体を手に入れる、というベタな筋書きも、保守的なセックス観も、ともすればアナクロニスティックに見えてしまうところだが、ザック・エフロンの清潔感を得ることで何の違和感も持たず受け入れられる。体育会系と文科系を橋渡すキャラクター造形もいい。マッチョにもオタクにも行かない感じ。最近も草食系男子とか気持ち悪いカテゴライズが蔓延しているが、そういう意味のない「棲み分け」が、冒頭に僕が書いたディスコミュニケーションを生み出している気がしてならない。
 アメリカ映画は、『グラン・トリノ』によって止めを刺された気がするが、しかし一方で、何の変哲もないアイドル映画によって息を吹き返したりもするのだ。必見。
チョコレート・ファイター

 映画における肉体性を極限まで試すような「痛い」アクションシーンは文句がない。ジージャーのアクションシーンはどれもDVDで繰り返し見たいものばかり。それだけにグダグダの脚本は何とかならなかったものか。自閉症、チョコレート好きという人物設定ももっと活かされてよかったようにおもうが。
バーン・アフター・リーディング』が、心底つまらない映画だったと思うが、しかしそのつまらなさが妙に引っかかっている。あの映画の空疎さには、何かある気がしてならない。だからと言ってもう一度見る気にはならないが。