Devil's Own

cinema, music, book, trash and so on...

グッバイ、2009!

次に映画ベスト10。

1.『カールじいさんの空飛ぶ家』(ピート・ドクター)

2.『グラン・トリノ』(クリント・イーストウッド

3.『レイチェルの結婚』(ジョナサン・デミ

4.『セブンティーン・アゲイン』(バー・スティアーズ

5.『スペル』(サム・ライミ

6.『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』(庵野秀明鶴巻和哉摩砂雪

7.『スター・トレック』(J・J・エイブラムス

8.『3時10分、決断のとき』(ジェームズ・マンゴールド

9.『レスラー』(ダーレン・アロノフスキー

10.『アンナと過ごした4日間』(イエジー・スコリモフスキ

 なんだか今年も無難なセレクトというか。ベスト3を「『スペル』『エスター』『サスペリア・テルザ』です!」あるいは「『ヘルボーイ』『ウルヴァリン』『ザ・スピリット』です!』みたいにびしっと言えたらさぞかしかっちょいいだろうなぁ…。今年劇場で観た新作映画は87本。会社勤めしだしてから減ったというよりも、1〜3月に見た本数が少なかった。次点として、『ボルト』『チェンジリング』『ミルク』『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』『レボリューショナリー・ロード』『イングロリアス・バスターズ』『アストレとセラドン』『エスター』が控えている。旧作ではサッシャ・ギトリの『あなたの目になりたい』が特にすばらしかった。機会があったらまた見たい。
 例年以上にアメリカ映画の豊穣さを見せつけられた年だった。『スター・トレック』、『スペル』のように極上の娯楽体験がある一方で、フィクションの中に過酷な現実を忍び込ませる『レイチェルの結婚』『レスラー』のような作品もある。これらの作品の作り手たちは、アメリカ映画の豊かな歴史を踏まえた上で新しい映画へ向き合おうとしている。その誠実さに感動を禁じ得ない。アメリカ映画と口にすれば、たちまちそこに無数の物語が蠢きだし僕らを慄かせる。広大で峻厳なアメリカ映画の歴史はまるで砂漠のようだ。「ハリウッド大作=退屈」というクリシェに踊らされ、こじゃれたミニシアター映画に淫している連中は、犬にでも食われればいい。途方もなく広く過酷な砂漠の中心に『グラン・トリノ』を置くと、何かが見えて気はしないか。そして、『グラン・トリノ』が示した道筋を、いとも軽やかに踏み出していったのが『カールじいさんの空飛ぶ家』だったとおもうのだ。今年の夏、ある日本の有能な映画作家が、「アニメを映画と思わない」とつぶやいた。まさにその瞬間、彼は砂漠の中で野垂れ死ぬのだ。映画の砂漠を甘く見てはならない。
 今年は日本映画にときめくことが少なかった。もっとも話題になった作品と言えば『愛のむきだし』だとおもうが、僕は評価を保留している。近いうちに見返そうと思っているけれど、もしかしたらDVDでながら見したほうが面白いのかもしれないと思っている。割と絶賛しか聞かないので、ちょっとノレなかったという人がいたら教えてほしいです。『愛のむきだし』と『ヱヴァ:破』は90年代の空虚さの中でつながりを見出していくという物語が少しだけ共通しているとおもうのだが、このあたりもふくめて自分なりに考えていきたいところ。『セブンティーン・アゲイン』は最高なのでみんな見るように。今回のベスト10はこの作品を入れるためといっても過言ではない。ザック・エフロンさいこう。新作『ミー・アンド・オーソン・ウェルズ』(仮)に期待。
 今年は4月から就職という大きな変革があって、精神的にもひどく不安定だった。だから今回挙げた音楽や映画は僕にとって結構特別な意味をもつような気がしている。ブログの更新頻度は減ってしまったけれど、コメントやスター、ブックマークをつけてくれる方がいてとてもうれしかったです。あとは時流に乗ってtwitterを始めました。気軽になにやら言えるので、こちらほどは過疎化しないとはおもう。実は仕事も恋もうまくいっているリア充であるということが判明します(!!)。はてな関係の人々もフォローしたいので、リア充なダイシックスに耐えられるならば、フォローしてください。少しずつ見つけてはいるのですが。それでは少し早いですがみなさんよいお年を!
http://twitter.com/DieSixx