Devil's Own

cinema, music, book, trash and so on...

大切なことは全て君が教えてくれた

恐ろしい地震です。被災地の方々のご無事を心よりお祈りいたします。私は新しい職場の研修で長崎にいて今日東京に戻りました。長崎で被害は皆無でしたが、職種上大混乱でした。共同通信のメール仕分けしたり、号外配ったりしてくたくたになって帰ると、テレビでは次々と凄惨な映像が映し出され、妹は仙台の友達から連絡がこないって泣いてる。恐ろしさにふるえました。一応安否の確認だけはとれていた恋人に連絡したら、会社から家に帰れなくなって今夜は泊まりだという。遠くの友達や恋人に、私は何もしてあげられない。目の前で大変なことが起きているのにその渦中にいないことの後ろめたさと無力感に途方に暮れました。twitterのタイムラインにはRTされた知らない人のアカウントがずらり。情報が錯綜していて、善意と悪意が平等に流れていくような、どこか異様なテンションを感じて何も言えなくなってしまった…。いつものようにのんきに映画や本のことなんて話す人はひとりもいないムード。私も伊藤聡さん(id:zoot32:20110313)と同じく、物語の無力さをひしひしと感じてしまいました…。テレビを見つめて心配していても、何の役にも立たないのはわかってる。だけれども無関係ではいられないような気持ちがずっと心の中でもやもやとしている。そうやって悶々としてるうちにウルトラマンがこんなツイートを。

いや、勿論これは円谷プロのスタッフさんが言ってることだけどね。「あんたが素晴らしいヒーローなのはわかったから、もっと物理的な救済してください」とかリプライしてる人も実際いました。でも私はこのメッセージを見て急に涙が止まらなくなってしまった。被災地でお家に帰れない子供たち、どんなに怖くて心細い気持ちでいるんだろう。胸が押しつぶされそうになる。そんなとき物語のひとつも聞かせられない大人ってそれこそ本当の弱虫じゃんね。いや、結局本当にウルトラマンに救ってもらっていたのは私だったんだ。馬鹿でしょう。5才のときからずっと憧れてて、毎日ビデオとか見まくって、みんなでなりきって遊んだりして、でもそのうち周りはみんなウルトラマンの話とかしなくなって、私はまだ好きだということをちょっと隠すようにもなって、ばれたらからかわれるようになって、そのうち開き直って、結局20年も経って、もうウルトラマンなんていないこと知ってるし、エイプリルフールのネタとかわりと楽しんでたし、今じゃ5才の妹にもからかわれる始末だし、それが今更ウルトラマンのメッセージとか本気にして泣いてしまって、どうして小さい頃あんなにウルトラマンが大好きだったのか私にははっきりとわかってしまった。私は二週間の研修で得た給金を、そっくりそのまま、義援金としてね、送りましたよ。馬鹿でしょう。25歳にもなって、まだウルトラマンを信じてる男、それが、私なんだよ。情けない。