Devil's Own

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スポーツ映画ベスト10

 今年もこの季節がやってきてしまった。今回はスポーツ映画ということです。ではさっそく。
http://d.hatena.ne.jp/washburn1975/20111101

2.『チアーズ!』(ベイトン・リード)

"Bring it on"2000/US チアリーディング

4.『宇能鴻一郎の濡れて打つ』(金子修介

"Koichiro Uno's Wet and Swinging"1987/JP テニス

5.『ボディ・アンド・ソウル』(ロバート・ロッセン

"Body and Soul"1948/US ボクシング

6.『ザ・ファイター』(デヴィッド・O・ラッセル

"The Fighter"2010/US ボクシング

7.『スラップ・ショット』(ジョージ・ロイ・ヒル

"Slap Shot"1977/US アイスホッケー

8.『セブンティーン・アゲイン』(バー・スティアーズ

"17 Again"2009/US バスケットボール

9.『アイス・キャッスル』(ドナルド・ライ)

"Ice Catsles"1978/US フィギュアスケート

10.『スピード・レーサー』(アンディ&ラリー・ウォシャウスキー

"Speed Racer"2008/US カーレース

 私はスポーツがきらいなので今回は参加できないかもくらいに思っていたのだがいざ選んでみるとたくさんの映画を泣く泣く削るはめになった。『ヤング・ゼネレーション』、『フープ・ドリームス』、『セックス・チェック 第2の性』、『少林サッカー』、『がんばれ!ベアーズ』、『ロンゲスト・ヤード』、『グラン・プリ』など傑作は枚挙にいとまない。
 しかし、こうして見るとやはりアメリカ映画とスポーツ映画の親和性は非常に高い。弱者が目標に向かってがむしゃらに努力し、勝利をつかんでいくというスポーツ映画の黄金律はそのままアメリカ映画の黄金律と言う事ができる。私に言わせれば『8マイル』も立派なスポーツ映画なのだが・・・。
 いろいろ悩んだ結果としてガールズムービーびいきになってしまった。1〜3位はほぼ同率1位という感じ。『ローラーガールズ・ダイアリー』は総合でも1位になるんじゃなかろうか。おそらく『ロッキー』との一騎打ちでしょう。
 初めは1競技1本にしようかと思ったがやはりボクシングだけは1本に絞りきれなかった。『鉄腕ジム』『若者のすべて』『ロッキー』『レイジング・ブル』『キッズ・リターン』『どついたるねん』『ミリオンダラー・ベイビー』・・・ボクシング映画の傑作を挙げるだけで軽く10本越えてしまいそうだ。ボクシング映画には『ロッキー』系統と『レイジング・ブル』系統があるとおもうのだが、『ザ・ファイター』は前者の最新形態、『ボディ・アンド・ソウル』は後者の原初形態といえる。
 アメリカ映画以外は『濡れて打つ』のみのエントリーになってしまった。本作の競技はテニスなのか、セックスの間違いじゃないのか、という意見も出そうだが、「テニスは腰でするものじゃなくってよ!」という立派なせりふもある。宇能鴻一郎ならではのですます調のモノローグが楽しい。
70年代ロマンポルノのギラギラとした狂気やパトスはここにはない。本作がデビュー作となる金子は「エースをねらえ!」の露骨なパロディを軸にお気楽なコメディーと開放的なポルノを接合した。そのドラマツルギーはその後のアダルトビデオにそのまま引き継がれていく・・・のか。
 『スラップ・ショット』は同じアイスホッケー映画の『ミラクル』と迷ったのだがハンセン兄弟のキャラ勝ちで。実はこの映画に出会ったきっかけが『ミラクル』だったりするので最後の最後まで迷ったんですがね。
 ラブロマンスやメロドラマも入れたくて『セブンティーン・アゲイン』と『アイス・キャッスル』を挙げた。スポーツの存在はほかの8本に比べて後景化してはいるが俳優の身体能力を活かした演出が見られるし、やはり突出した印象を残す。どっちも見るたびに泣いてしまいますね。『アイス・キャッスル』はドナルド・ライが最近セルフ・リメイクをしたという話も聞くがそっちはどうなんだろうか。
 10番手に入ったのは『スピード・レーサー』。公開時には不評だったけどファンを公言する人が多いですね。今回のランキングに挙げている人もけっこう見かけるがすばらしいことだとおもう。私もその称揚運動の一端を担わせていただきたく最後にランクインしました。アニメ映画が一本も入らなかったので、生身のアクションとアニメーションの視覚的快楽の臨界点としての意味もある。
 そんな感じで今年も集計よろしくお願いします。