Devil's Own

cinema, music, book, trash and so on...

SF映画ベスト10

SF映画ベストテン - 男の魂に火をつけろ!
 今年もやってきました。お題はSF映画!ではさっそくいきます。

1.『ロボコップ』(ポール・ヴァーホーヴェン

"Robocop"1988/US

2.『パプリカ』(今敏

"Paprika"2006/JP

3.『プロメテウス』(リドリー・スコット

"Prometheus"2012/US

4.『月世界旅行』(ジョルジュ・メリエス

"Le Voyage Dans La Lune"1902/FR

5.『ミクロの決死圏』(リチャード・フライシャー

"Fantastic Voyage"1966/US

6.『ウォーリー』(アンドリュー・スタントン

"WALL-E"2008/US

8.『ミクロキッズ』(ジョー・ジョンストン

"Honey,I Shrunk the Kids"1989/US

9.『アルファヴィル』(ジャン=リュック・ゴダール

"Alphaville, une étrange Aventure de Lemmy Caution"1965/FR-IT

10.『バーバレラ』(ロジェ・ヴァディム

"Barbarella"1967/FR

 迷うかなと思ったがすんなりと選べた。選外の候補作は『アビス』『SUPER8』『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『妖星ゴラス』『ザ・フライ』『アンドロメダ…』『トゥモロー・ワールド』『禁断の惑星』『ギャラクシー・クエスト』『ロボット』など。SFは間口が広い。「サイエンスフィクション」も「すこしふしぎ」も、どちらもりっぱなSFだともおもうが、id:washburn1975さんの「センス・オブ・ワンダーを感じる作品」というのが結局一番しっくりくる。タイムループを利用したトリッキーな物語も、現実社会と地続きの風刺性も、緻密な疑似科学の説得力も大事だとはおもうが、結局私にとってSF映画の魅力は9割9分くらいはビジュアルである。画で驚かせてくれたり、かっこいいと思わせてくれればけっこう許せるみたいなところがある。だから、初めにこのお題について考えたとき、なんとなく最近10年くらいの映画ばかりになるような気がしていたが、蓋を開けてみるとそうでもなかった。
 ほかの方のランキングをいくつか見てみましたが、今年はわりと王道作品が並びやすいお題だったかなとおもう。私も気をてらわず『ロボコップ』を1位とした。リメーク企画が進んでいるが果たしてどうかって、去年のホラー映画1位の『キャリー』で同じこと思ってた気がする。なんとなく自分の中で「1監督1作品」のルールを設けているので最後まで『スターシップ・トゥルーパーズ』と悩んだが、愛すべき凶悪犯たちの魅力でこちらを。
 2位は『パプリカ』。今氏の築き上げた悪夢のビジュアルはノーランやアロノフスキーを初め世界中にセンス・オブ・ワンダーをもたらしてくれた。
 おそらくリドリー・スコットの『エイリアン』『ブレードランナー』はかなり上位に入ってくるとおもうが、私は完全に『プロメテウス』のとりこです。これが1位でもよかった。なぜならほとんどSFマインドだけでできているから。ブルーレイの音声特典で「久しぶりに楽しかった」というスコットの無邪気さが爆発した異形の傑作。
 このランキングに『月世界旅行』を入れるのはあざといと思われそうだが、100年以上前に作られたモノクロ16分の映像はいまだに私たちをわくわくさせ、想像することの面白さを教えてくれる。そして、月からロケットを落としてみせるメリエス乱暴かつ稚拙な遺伝子理論で人類の起源を片付けてしまうリドリー・スコットの態度は同じくらい純粋でかっこいいとおもう。
 『ミクロの決死圏』と『アルファヴィル』。「SF観」というものが私の中にあるとすれば、その形成にもっとも寄与したのは『ウルトラセブン』だろう。本当は『セブン』で10本選べてしまうくらいなのだけれど、残念ながらテレビドラマは対象外となっているので、「悪魔の住む花」と「第四惑星の悪夢」それぞれの原点とも呼べる2作をラインアップ。
 『ウォーリー』はまず初めにシナリオの素晴らしさがあるが、ウォーリーとイヴの対照的なデザインの妙を含めロボットたちの造形が素晴らしい。基本的にはスウィートでかわいらしいラブストーリーなのだが、そこにはSFならではの手法で皮肉や風刺が織り込まれている。エンドロール後に「BNL」のアイキャッチが入ったときの戦慄。
 スピルバーグ作品は『ジュラシック・パーク』、『宇宙戦争』と悩んだがやはりビジュアル面の圧倒的な面白さで『マイノリティ・リポート』を。ディック作品が1作も入っていないと自分の中では収まりが悪いので。
 『ウルトラセブン』と同じくらい私のSF観形成に影響を及ぼしたのは『ドラえもん』。今回はドラえもん映画は外してしまいましたが藤子・F・不二雄スピリッツを受け継ぐ作品をひとつ入れておきたくて『ミクロキッズ』を入れました。特撮もよくできているし、出演者も好演している。そして犬が可愛い。現代は「ハニー、子供たちを小さくしちゃった!」ですが、『ミクロキッズ』の邦題は素晴らしいですね。昔はよく地上波で放映していたが、最近見ない。
 最後はロジェ・ヴァディムの嫁自慢映画『バーバレラ』。これは本当にくだらない内容で、先日ブルーレイが発売されたので久々に見返したらやっぱりくだらなくて驚いた。でもこの作品は私を含めて多くの人々に愛されている。冒頭の無重力ストリップやセックスマシーン、オルガスマトロンのセンスオブワンダーとよぶにはあまりにくだらないが、決して下品にならないのがずるい。衣装はどれも素晴らしく、今見てもかっこいいとおもう。
 以上です。今年の集計よろしくお願いします!