Devil's Own

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2013年ベストAV

 ほんの思い付きで始めたベストAVエントリーもことしで3回目。今や当ブログいちばんの人気企画となってしまいました。映画館と同じくらい(あるいはそれ以上に)「のれんの向こう側」を愛する私が年に一度、好きな作品を慇懃無礼に紹介します。今年は例年よりはおとなしめなラインアップだとはおもいますが、それでも人によっては好ましくない内容の作品も扱っています。未成年の方、良識を重んじる方はスルーしてください。明日は普通にベスト映画を発表するのでそちらはぜひよろしくお願いします!

 今年のフロント写真は大女優、麻美ゆまさん。激やせからさまざまな憶測が飛び交っていましたが、境界悪性腫瘍のため休業を宣言。10月に卵巣、子宮の摘出と抗がん剤治療を無事に終えたこと本人が報告してくれました。本当によかった。一連の言動から、麻美さんの人となりや仕事に対する真摯な姿勢に頭が下がったし、ここまで人気が出たのは単にかわいくておっぱいが大きかったからではなく、その明るく前向きなキャラクターがあったからなのだなとあらためて感じました。まずは体調回復に専念してもらい、今後さまざまな現場での活躍できることを祈っています。それでは閉じます。繰り返しますがここから先は自己責任で!

『密やかに熟れる花』(愛田奈々/マドンナ)


 艶々・宇野みづきによる成年コミックの実写化作品です。トータルの完成度では今年見た作品の中でも群を抜いていました。成年コミックのAV化作品は近年、『母が白衣を脱ぐとき』(中森玲子/ムーディーズ)、『好きで好きで好きで』(つぼみ/TMA)などの成功例があって、少しずつ可能性が開けてきた印象がありました。そんなトレンドを背景に熟女系メーカー・マドンナが成年コミックの実写化レーベル「熟れコミ」を創設。多様なジャンルで活躍するきとるね川口監督が現時点ですべての作品を手掛けています。本作はそのなかの1本。
 主演の愛田奈々さんは三津なつみ名義でゼロ年代前半に活躍していた女優さんです。引退後に、昨年、改名しマドンナから復活しました。マドンナの作品群は評判が芳しくなくカムバック失敗かと思いきや、姉妹メーカー、アタッカーズに移ってから不倫モノでは立て続けに快作を連発。再びマドンナに戻り、放った本作はおそらくキャリア最高傑作ではないでしょうか。
 いなかの村役場で働く圭子(愛田)が、静かな生活を求めて村に引っ越してきた青年・真木と関係を持ち、愛欲におぼれていく。そんななか、長い間家を空けていたろくでなしの亭主が帰ってきて…という筋書き。ストーリーも演出もしっかりしていて、ほとんどVシネマですね。ドラマのためのエロ、エロのためのドラマが見事なバランスで結実している。「ストーリーなぞ二の次!さっさとバトルを見せろ!」という人にはかったるいかもしれません。演出やストーリーもですが、愛田さんの憂いを帯びた表情と情感たっぷりのナレーションが完成度に大きく貢献しています。ものすごく美人なんですけど、体つきが微妙にだらしないところがすごくリアル。きとるね川口監督も、愛田さんを美しく撮ることに徹しています。男優側も好演。愛田さんの息子がおっさんだったり、クライマックスの村祭のシーンがチープだったりと瑕疵もありますが、ロケーションも含めてAVでここまでのものができるのかと感心しました。青年との関係がばれて、村人から白い目で見られるなど妙にリアルな描写も楽しめました。村人のおばちゃんの棒読みがまた味わい深い。

『初中出し天国』(吉川あいみ/ソフトオンデマンド


 ユーザビリティの面でいえば個人的には今年一番抜いた作品です。高級ホテルの1室で高級コールガールの吉川あいみさんと朝までやりまくる。ただそれだけ。吉川あいみさんの芸術的かつシズル感あふれる肉体の魅力だけで押し切る、『パシフィック・リム』的な作品ですね。主観ショットが多い「疑似風俗もの」としても良作です。男優の存在感を徹底排除。顔は映さず(映ってもボカシが入っている)、せりふもすべて字幕で処理した結果、かなり純度の高いプライベート空間の演出に成功しています。あと「主観」にこだわりすぎなかったところもいい。この場で強く訴えたいんですけど、「主観=モデルのカメラ目線」とはきちがえている作り手があまりに多すぎるんですよ。カメラの位置そのものが男優の視点とずれているから、ものすごく不自然な画面になることが多いのです。その点も、本作のカメラワークはそのあたりのバランスがしっかりしていた。少人数スタッフで撮ったのか吉川さんもリラックスしているなと思いました。特に一番最後の2回連続の流れはよかった。唯一の欠点は画質がいまいちなこと。この作品がブルーレイリリースだったら無敵の傑作だったとおもうんですが。
 今年も魅力的な女優さんがたくさんデビューしましたが、肉体の説得力という面では吉川あいみさんは頭一つ抜きんでていたように思います。単に胸が大きいというだけではなくて、全体のバランスの美しさですね。ここにはお載せできませんが本作のDVDジャケットも実にけしからん。吉川さんの肉体美がおわかりいただけるとおもいます。それこそ全盛期の麻美ゆまさんに匹敵するのでは。白い肌が紅潮するのも魅力的です。声とキャラクターに関して、もしかしたら好みがわかれるかもしれません。カラミもはっきりいって淡泊なので、もう少し開放的になってもいいのでは…とおもったりもします。しかしいちばん気掛かりなのはSOD所属、という点です。SODはとにかく女優の寿命が短い。いい女優さんはたくさんいるのに、ほとんどが1、2年で移籍か引退をしてしまいます。10年選手も多いエスワンとは対照的ですね(私は嫌いなメーカーですが)。今年も、新人女優のデビュー作が急に発売中止になる事態が数件あったりして、ちゃんとマネジメントができているのかさえ疑わしい。本作はタイトル通りのプレイがウリになっていますが、単純にプレイ内容のエスカレートさせる前にモデルさんの魅力を引き出す余地はまだまだあるとおもうのです。

『未成年ウェディング』(瀧川花音/クロス)


 新人モデルの中では、成宮ルリさん(今年1月〜)と瀧川花音さん(昨年11月〜)が個人的にはツートップでした。お二人とも猛烈な勢いで作品をリリースしていたので、ずいぶん前からいたような気すらしてくる。当然ながら私もすべての作品をチェックすることはできませんでした。成宮さんは18歳デビューのふれこみからもわかるフレッシュさが魅力。「ポスト篠めぐみ」に一番近い存在といえそう。一方、瀧川さんは陸上部で鍛えたアスリート体形が魅力。顔立ちはお姉さん系なので、幅広いジャンルの作品で活躍しています。成宮さんの初々しさも捨てがたいですが、個人的には瀧川さんに軍配を上げたいですね。アスリート設定を生かしたいい作品もたくさんありますが、若めの役柄に挑戦した本作を推します。親の借金のために戸籍ごと売られてしまった薄幸の美少女、瀧川さんが「身請け先」の鬼畜家族にやられまくります。いったいいつの話だよ!というツッコミはさておき、ダークなストーリーだからこそ、瀧川さんの変態ポテンシャルが際立っていました。体力があるし、クールビューティな顔立ちも含めて、大塚咲さんを想起したり…。それってつまり最強じゃないかと。あと口元がゆるいのか、カラミに夢中になるとよだれがだらだら垂れてくるのかすごくえろいんですよね。今後はアスリートとしての身体能力を生かして、GIGAなどの特撮ものにもチャレンジしていただきたいとおもいます。GIGAは高いけど瀧川さんの作品ならまじで買うよ!

『侵入者』(周防ゆきこ/アタッカーズ


 毎年ラインアップされるアタッカーズ作品。昨年も少し書きましたが、ここ数年でアタッカーズの作風もかなり変わりました。私はアタッカーズ=AV界のデヴィッド・クローネンバーグ説を唱えていますが、山を駆け回る粗暴な野猿から縁側で日なたぼっこするお爺さんになった、なんてたとえも見かけたりして。今年は、なぎら健造監督によるドラマ重視の新レーベル「大人のドラマ」を創設。露悪的な作品からねっとり不倫ドラマ路線へのシフトチェンジする方向性がより明確になりました。アタッカーズのユーザー層もここ数年でかなり変わったんじゃないかなあ。私も一時期と比べてアタッカーズの作品を見る本数ががくんと減りました。これが老舗メーカーとしての生き残りの秘訣なのかもしれませんが…。
 たかだかAV1本紹介するのに、なぜわざわざメーカーの説明をするのかとおもうでしょうが、まあ聞いてください。本作は昨年スタートした「侵入者」の最新作。映画『苦役列車』にも出演していた男優・花岡じった氏が演じる凶悪犯・田沼の凶行を描くシリーズです。田沼はとにかく凶悪なやつです!もともとはアタッカーズの看板シリーズにして、数々のフォロワーを生み出した『夫の目の前で犯されて』(通称・オトメ)の第1作目『侵入者』(主演:春菜まいさん)に登場したキャラクターです。その後のオトメシリーズにもたびたび登場していましたが、昨年ついに独立。オトメから離れたことにより、主演キャラクターの設定も人妻に限定されなくなりました。OLとかナースとか学生とかありましたが、結局は元の人妻路線に軌道修正しました。
 さて、そんな田沼に周防ゆきこさん演じる若妻がやられまくります。劇中では、田沼はかなりの有名人(逮捕されても刑事たちを殺して脱走するほどなのだ!)らしく、夫とニュースを見ながら「いやねえ、怖いわあ。あんな人最低よ」なんてことを話している様子が冒頭で描かれます。このシーンがとても利いていて、実際に田沼が目の前に現れると周防さんは恐怖のあまり失禁してしまうのです。周防さんはSOD出身のモデルさんですが、天性の「困り顔」にくわえ、演技もうまいのでここ数年アタッカーズで重宝されているようです。花岡氏との体格差が悲壮感を増長します。
 ストーリーはこれまで何度も繰り返されてきたパターンなので、目新しさはありません。さんざん欲望の限りを尽くした田沼が去っていくという結末もいつもと同じ。ところが、今回は待ち伏せした刑事たちに田沼が射殺されてしまうというオチがついています。初登場から足掛け7年、シリーズ物のAVは数あれど、男優側のキャラクターを踏襲しここまで長く続いたシリーズはほかにないとおもいます。AV史に残るキャラクターを生み出した花岡じった氏にあらためてお疲れ様を送りたい。そして本シリーズの終焉は、アタッカーズというメーカーの変革を象徴するものだったとおもいます。というわけで何としてもこの作品はラインアップさせてもらいました。

『ザ・レイプ映像 夫の目の前でレイプされる人妻』(川上ゆう/サイドビー)


 今ごろになって、川上ゆうさんにはまってしまいました。何となく食わず嫌いしていたのですが、今となってはなぜスルーしていたのか不思議で仕方ない。川上さん、すごい美人だし、演技巧いし、最高です。今年はぶんか社主催の「AV熟女優総選挙」で見事1位に輝いたのも納得です。デビューは2004年なので来年で活動10年になるんですね。同年デビューしたモデルには西野翔さんがいます。そんな前からいたっけー?と不思議におもったのですが、04〜07年は森野雫名義で活動していたそう。今の熟女路線ではなく、ロリ路線での売り出し方だったのだそうです。そのころの作品も全然記憶にないなあ…。一度引退し、川上ゆうで再デビュー。活動休止のインターバルは半年もありませんので、ほぼ10年間第一線で活躍しつづけていたといっていいでしょう。今年は旧作含めてかなりたくさん川上さんの作品を見ましたが、とにかく演技、艶技の幅が広いなあと。陵辱ものにも痴女ものにも傑作、良作がたくさんありまして、いつか川上さんの作品だけでベストをつくりたいくらいです。今年の作品の中からもどれを選ぼうかめっちゃ迷ったのですが、このブログらしく川上さんがやられまくる作品にしました。ドラマ系作品を得意とする長江隆美監督のメーカー「サイドビー」の作品です。長江監督も大好きなのでいつか詳しく書きたいのですが、本作はナックル原田監督作。世間に不満を募らせている逆恨みクズ野郎たちに川上さんがさらわれ、縛られた夫の前でやられまくります。この作品の特徴は、クズ野郎の手持ちカメラで撮影したPOV形式がとられているという点です。冒頭にファミレスで撮影していた主人公が、浮気相手といちゃついていた男に「撮ってんじゃねえぞ」と殴られます。怒りを募らせた主人公は仲間と結託し、男と奥さん(川上さん)を拉致する…という流れ。男から先に拉致するんですが、自動車を尾行し襲撃するまでの流れはなかなかに臨場感があります。POV形式じたいはめずらしくないのですが、主人公が凶行に至るまでの行動がわりと丁寧に描かれている点は評価したいですね。これはけっこうめずらしいと思いました。後半は川上ゆうさんの熱演も手伝って、高いテンションで走り抜けます。ジャケットに「衝撃のワンカット」という惹句がついていますが、べつに長回しがあるわけでもなくふつうに編集されていました…。察するに後半はほとんどライブで撮り切りましたよってことなのかもしれません。だとすれば成功してたとはおもいます。ネタバレですが、ラストはぶちきれた夫にゴルフクラブで殴られてブラックアウト。これも諸行無常感があっていいです。
 以上、ことしも5本選びました。楽しんでいただけたでしょうか。このほか雅監督作品は相変わらずの寡作ながら高いクオリティでしたし、ようやく新シーズンが始動したアタッカーズの『奴隷島』シリーズに注目したいとおもいます。それではまたあした!