Devil's Own

cinema, music, book, trash and so on...

さようなら2014年(AV編)

 ほとんどブログを更新する間もなく、今年も残すところあと2週間になりました。ことしは年の初めから病気にかかったり、部署異動で急激に忙しさが増したりと、とにかくいろいろ大変だった。映画の見たり本を読んだりする時間も激減してしまいました。それでも毎年末の振り返りエントリーだけはちゃんと残しておきたいなあ…とおもいまして、ことしも3ジャンルに分けて個人的なベスト作品について書いていこうとおもいます。というわけで、例年通り第1弾は、AVのベストでございます。さきほど、映画を見たり本を読んだりする時間が…と書いたのですが、AV見る時間はそんなに減ってなかった…。それどころか、いつもより扱う本数が多くなってしまいました。なんだかとってもはずかしいです。とはいっても私も来年で30歳。性欲もひとなみに減退してはいるわけですよ。なので、よりフラットな視点で、より学術的に、より繊細に、より知的に、より多くメガネをクイッと整えながら、AVを見ることができているとおもいます。何を言っているかわからないとおもいますが、要するに例年通り、読者のみなさんも私のことを過分にさげすまず、通報せず、寛大に楽しんでくださいねってことです。ことしも反倫理的、反道徳的な作品が含まれておりますので、あくまでここから先は自己責任でお願いします。あしたから映画、音楽と続けていきます。それでは、世界一かわいいかすみ果穂さんの画像で以下は閉じます。

『アイドル強制操作』(沖田杏梨/ムーディーズ


 クリムゾンという同人サークルとムーディーズのコラボ企画です。沖田さん演じるセクシーなロックシンガーが、人間をいいなりに操作できる悪魔のスマホを手に入れたキモヲタくんの毒牙にかかり、やられまくります。コミック実写化レーベル「まんきつ」からのリリース。AVでのコミック実写化の流れについては昨年も紹介しましたが、ここ1年で完全にジャンルとして確立、普及した印象があります。われながら先見の明に驚きますね。これまではドキュメント志向の作品が多かったのですが、本作のように設定自体が荒唐無稽な作品でもシナリオと演出がしっかりしていれば、ちゃんとえろい作品に仕上がるということもわかってきました。SODなど企画系メーカーが「時間停止もの」など非日常的な作品を成功させ、ユーザーにとっても受け入れやすくなった背景もあるのかもしれません。そうはいっても、本作の魅力はなんといっても沖田さんの演技力、そして本当に成人コミックから飛び出したかのようなけしからん肉体美。ヒロインの心の声をボイスオーバーで重ねるなど演出面の工夫もみられ、作り手の意欲も感じますが、織田真子さん主演の続編は、本作には一歩及ばず。やはり沖田さんの功績がおおきいとおもいました。どんなにばかばかしいフィクションであっても演じるモデルさんが本気で取り組むというのは本当に大事だなとおもいます。沖田さん、目つきも鋭く攻める系女優さんだとおもっていたのですが、こういう被虐的な役もこなせるのだと感心しました。

『母娘の檻 地獄の始まり』(白木優子、上原亜衣、初美沙希/マドンナ)


 コミック実写化作品をもうひとつ。昨年も紹介したマドンナのコミック実写化レーベル「熟れコミ」からの作品。こちらの原作者、四畳半書房も同人サークルですが、原作は1万本近く売れた大ヒット作なのだそう。劇画タッチの特徴的な画風でしたが、話題になっていたので私もダウンロードして読んだのですが、これはひどい。自宅にやくざたちが乗り込んできて、借金をしていた父親をぶち殺し、残された母と娘2人がやられまくります。それがもうほんとにひどい。あまりにひどいので、これは実写化は無理だろうと思っていたら、わりと忠実に実写化したので、ひどいなあって思いました。DMMのレビューには「こんなの評価する人は現実でも犯罪に走るのでは」と書く人まで出る始末。いやいやそんなことないですよ。現に私はまじめに生きています。演じるモデルさんは3人とも売れっ子かつ演技派。とくに上原亜衣さんは、おそらく現状トップのアイドル女優だとおもいますが、よくぞここまでとおもいます。まあそこが上原さんの人気の秘密ではあるとおもうのですが。そして、小沢とおるを始めとしたおじさん男優陣も安定の頑張りをみせてくれます。監督はコミック実写化AVですでに多くの傑作をものにしている、きとるね川口。原作コミックのひとこまが突然画面にインサートするなど、面食らう演出もありますが、安定のクオリティです。ちなみに、この原作には続編があって、さらにひどい展開になっていきます。これは、さすがにちょっと無理だとおもうなあ。

『昭和の制服美少女と性交』(一之瀬すず/ドリームチケット)


 昨年、活躍の目覚ましかった新人さんとして成宮ルリさんと瀧川花音さんを挙げました。このふたり、今年も頑張っていたのですが、昨年末に登場した一之瀬すずさんのインパクトにすっかり存在感がうすくなってしまった印象。純和風の顔立ちにスレンダーな身体が薄幸さをかもしだし、かつての企画女優大空あすかさんをほうふつとさせます。アロマ企画からひっそりとデビューしましたが、企画、単体問わずハイペースに作品をリリース。過激な作品もどんどんこなすどん欲さで一躍スターダムの座に登り詰めました。さきほど紹介した上原亜衣さんの「陽性」とは対極にある影のある存在感が魅力です。しかしながらカラミはどことなくあっけらかんとしていて、それでいて表情豊か。見飽きないモデルさんです。本作は、過激さでは他の出演作品には劣るのですが、一之瀬さんの昭和テイストな持ち味を存分に発揮した力作にして怪作です。聖子ちゃんカットにセーラー服、レオタードにレッグウォーマーなど、にっかつロマンポルノにでも登場しそうな「80sテイスト」がコンセプト。お相手の男優が吉村卓というのもまた「なつかしさ」に拍車をかけます。そして、なにより私がもっとも推したいのは「スペシャル特典」として付録したVHS edition。そう全編まるまるVHS画質で収録しているのです。まったくもって意味不明なんだけど、これがもうなんともいえないくらい、しっくりくるのです。VHS黎明期とともに急速な発展をとげたAVの文化史を思い出させてくれる画期的な試みです。これはもはやコンセプチュアルアート、AV界の『グラインドハウス』といってしまっていいのでは。ちなみに内容は超ふつうです。

『痴漢総決起集会 その後…』(一之瀬すずほか/ナチュラル・ハイ)


 一之瀬さんもうひとつの持ち味である過激さを見るならやはり企画ものだとおもいます。ナチュラル・ハイはことし15周年のメモリアルイヤー。過去のヒットシリーズの総決算や他社とのコラボレーションなど意欲作を立て続けにリリースし、目が離せませんでした。さまざまな人気シリーズがありますが、このメーカーの原点はやはり痴漢ものです。15周年第1弾の「痴漢総決起集会」(ひどいタイトル)は一之瀬さんを筆頭に15人の企画女優がさまざまなシチュエーションでやられまくるオムニバス作品。コストパフォーマンスでいえばことし随一の作品で、「これはベスト入り堅いなあ」とおもっていました。そこにきてその続編である本作です。企画もので続編っていうのがまた斬新ですが、要するに前作に登場した一之瀬さん、春原未来さん、江波りゅうさんがその後もダメ押しでやられまくるという内容。陰湿だなあ…。このうち一之瀬さんは、おっさんたちに駐輪場みたいなところに追い詰められ、なぜか競泳水着姿でやられまくります。一之瀬さんはほかのモデルさんより圧倒的にボリュームがあることからも、そのバイタリティを感じてもらえるとおもいます。ほかのモデルさんも高水準の演技を見せているので、前作を含めてこの手のジャンルが好きな人にはおすすめの2本です。

一家人質事件』(後藤あづさ/サイドビー)


 昨年のランキングでも取り上げたナックル原田監督お得意の実録ノワールもの。親子3人が住むマンションの1室に脱獄囚が押し入り、後藤あづささん演じるお母さんがやられまくります。ことし、アタッカーズからロングランシリーズ「侵入者」の後続企画として「脱獄者」というシリーズが登場したのですが、西野翔さん、かすみ果穂さん、上原亜衣さんというそうそうたる顔ぶれの主演にもかかわらず、いまいち緊張感がないんですよね。対して本作は主演こそほとんど無名の熟女モデルですが、細かなストーリーテリングと演出、そしてゲスなせりふ回しで、しっかりと魅せてくれます。主演、後藤さんは、顔立ちも体つきもとにかくふつうのおばさん然としていていい。好みは分かれると思いますが。「脱獄者」シリーズでは、基本的には旦那にばれないように家に潜伏するのですが、こちらは旦那も息子も縛り上げてしまい、暴力的に一家を支配します。これもこれで怖いです。妻と息子を人質にされた主人が、脱獄犯のいいなりになって金策に奔走するというふつうのAVではまずお目にかかれないシーンもあります。こんなシーンいらないという人もいるとおもいますが、個人的にはこういう精神的に追い詰められていく展開もいいですね。

『思春期の娘とパパの歪んだ愛の日常。』(芦田知子/ミニマム)


 低身長モデル(じゃっかん低くサバ読む傾向あり)専門の変態メーカー「ミニマム」の人気シリーズ。近親相姦関係にある父親と娘のゆがみきった日常を、父親のホームビデオという体裁で描くど変態作品。一時期、「リアルすぎてやばい」とネットで話題になったSODの傑作「娘の匂い」に着想を得たことは明らかですが、よりドキュメントタッチを抑えた「見やすい」つくりになっています。ストーリーがストーリーだけに全編を貫く不健康なムードが最大の特徴になっています。4作目である本作は、個人的には1作目に次ぐ出来栄えなのですが、なぜか現時点で廃盤となっています。主演の芦田知子さんは「現役音大生」という触れ込みでことしのはじめにデビューし、人気上昇中でしたが、数か月新作リリースの気配がなく事実上引退したもようです。廃盤にはその影響があるのかもしれません…。そういうわけで、私のブログを参考にAV選ぶよって人にはなかなか入手できない作品を紹介することになり申し訳ないのですが、芦田さんというモデルを個人的にも覚えておきたくて、あえて入れました。芦田さん、地味めなルックスながら、カラミの反応がよく、演技力もあり、これからスターになる素質を十分にもった逸材だったとおもうので残念です。ほかの出演作はまだまだ手に入るようなので、興味のある人はそちらを見てね。

『セックスが溶け込んでいる日常 学園生活で「常に性交」女子校生』(小西まりえ他/SODクリエイト)


 たぶん2年前のランキングで篠めぐみさんの作品について書いたときに、木村真也監督についても触れたとおもいます。表向きはおバカな企画ものばかり撮っているようだが、この人は筋金入りの鬼畜だと。今後も注目していきたいと。当時、木村監督はまだまだ新進気鋭でしたが、やはり私の予想が的中し、売れっ子かつ超重要監督になりました。木村監督の持ち味は、なんといっても「日常」と「非日常」のせめぎあい。男の欲望を制御するあらゆるタガが外れた世界観を丹念に描出することで、あほらしい設定もエロに昇華させています。木村監督が発明(もうあえてこう呼びたい)した企画、演出、世界観は数多く、後進に与えた影響も大きいのですが、ここでは詳述しません。各自で学習するように。木村監督の演出力が発揮されるシリーズの双璧は、看護師が丁寧語を使いながら患者の性欲処理をする病院の日常をテレビドキュメントタッチで描く「セックス外来医院」シリーズと、旅館、デザイン事務所、エステなどで男女が日常的に交わる世界を描く「常に性交」シリーズです。後者は正確には木村監督単独のシリーズではないのですが、ヒット作へ押し上げた貢献度はかなり高いとおもいます。で、本作はその「常に性交」シリーズのなかでもかなり狂ってる異色作。とある女子校を舞台に、かれんなモデルさんたちが、何の前触れもなく登場する覆面男に、ところかまわずやられまくります。しかも当の本人たちは、そのことにまったく気づかないという体裁で、平然と学園生活を続けていく。音読したり、黒板の問題を解いたり、おしゃべりしたり、図書館で自習したりするのですが、そのあいだずっと覆面男が攻めているわけですから、あへあへしながら、けなげに日常生活を送るわけです。もうわけがわかんなくて泣けてきます。あるチャプターでは、白咲碧さんが小テストをコピーして、教室に戻って、黒板に「小テスト」と書いて、自分も小テストを解くまでずっとやられてるのです(一度男優の交代あり)。最後は転校することになった小西まりえさんに、みんなが花束や色紙を送り、「元気でね」「また会おうね」「ずっと友達だよ」とかいいながら別れを惜しむ。その間も小西さんの後ろで覆面男が一生懸命動いています。こんな映像は見たことない!ある種の感動すら覚えた怪作です。

…とことしはいつもより多く7作となりました。くしくもあしたはクリスマスイブ!カップルで過ごす人にも、家族と過ごす人にも、ひとりで過ごす人にも幅広く楽しんでいただけるラインアップになったとおもいます。それではあした以降は例年通り映画、音楽と続けるつもりですが、年末ぎりぎりになってしまうかも。それではみなさんハッピークリスマス!