Devil's Own

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2015年のおわりに(音楽編)

もうことしも暮れですね。ことしからオールタイムベスト映画についてのレビューを書いていきます、なんて息巻いていましたがいそがしくてほとんど更新できませんでした。ははは。
ことしはあまり映画が見られなくて、そのぶん音楽を聞くことが多かったです。あと特に日本の音楽をめちゃくちゃ聞きましたね。一時期はJポップなんてまったく興味なかったし、言葉じたい恥ずかしくて言いづらかったけど、別にいいなと思えるようになりました。丸くなったんですかね私も。そんなわけで、新譜旧譜問わずことしよく聞いたアルバムをまとめておきます。順不同。

Blur『the Magic Whip』(2015)

The Magic Whip

The Magic Whip


正直、もうブラーにお金を使うことはないだろうくらいの覚悟でボックスセット買ったので、新作リリースのしらせには仰天した。「12年ぶり」という言葉もなんだか感慨深かった。12年…。「Think Tank」のリリース年に生まれた子供が小学6年生になっている。私は高校生だったけど、30歳になってしまった。しかし肝心の内容は12年という歳月を感じさせないまぎれもなくブラーなアルバム。これまでのディスコグラフィの中でどのアルバムの後においても、それなりに納得してしまいそうな。どのアルバムの要素もちりばめられたアルバムです。My Terracotta Heartがお気に入り。

Snoop Dogg『Bush』(2015)

Bush

Bush


正直スヌープに興味持ったことなかったんですが、試聴してよさげだったので買いました。ファレル・ウィリアムズがプロデュース、スヌープはほとんどラップしてない感じで(笑)よくもわるくもファレルの音になっている。個人的には昨年のファレルのアルバムよりもよかったです。ただ旧来のスヌープのファンはどう思ったんだろう…。

トロールズ『Renaissance』(2015)

Renaissance

Renaissance


今までさまざまなアーティストや文化人の口からその名を聞いていたが、音源をライブ会場でしか売らないためにまったくどんなバンドかつかめなかったペトロールズが結成10年にして初めてフルアルバムをリリースした、という事実。地味にニュースでした。

スチャダラパー『1212』(2015)

1212 【DVD付初回限定盤】

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自分の立つ場所でリズムを刻み、ライムをつぶやけば、もうそれは立派なヒップホップなのだ。おっさんにはおっさんにしかできないラップがあると教えてくれるSDPの最新作。変わらず笑わせてくれて、変わらず勇気をくれる。

星野源『Yellow Dacer』(2015)


アイドル的な人気も含めて完全に21世紀のオザケンと化している星野源の4枚目。ルーツである黒人音楽をこれまで以上に打ち出しつつも完全に「イエローミュージック」。マイケル・ジャクソンにささげた「SUN」は聞いていると落涙してくる。マイケルの「Off The Wall」と松田聖子のレコードの間におきたい。おおげさでなくてそんなアルバム。これは事実上ことしのベスト、かなあ。

Base Ball Bear『C2』(2015)

C2

C2


前作で完全に打ちのめされたベボベのメジャー6作目。タイトルから「第2ステージ」に進むメンバーの気概が感じられます。もちろん内容からも。エイティーズディスコ感の『それってfor誰』と粘り気のあるベースラインにしびれる『文化祭の夜』、黄金メロディーのギターポップ『不思議な夜』とシングルが続き、どんなアルバムになるんだと思ったけど、予想以上に正面から「日本語ギターロック」に根ざしていて驚いた。もっと「黒い」アルバムになると思っていた。そういう意味では彼らも「イエローミュージック」の誠実な実践者といえるのかもしれない。SNS社会への痛烈な皮肉に始まるアルバムは、しかしコミュニケーションへのかすかな希望へと着地する。社会への観察眼と自己批評を行き来する歌詞はもはやヒップホップ的。

荻野目洋子『ヴァージ・オブ・ラヴ』(1989)

ヴァージ・オブ・ラヴ(日本語ヴァージョン)

ヴァージ・オブ・ラヴ(日本語ヴァージョン)


ナラダ・マイケル・ウォルデンがプロデュースした88年作「Verge Of Life」を日本語で収録しなおしたもの。レコーディングのため再度渡米したというエピソードが実にバブリー。内容もバブリーで最高です。こんなアルバムがあったの知りませんでした。ナラダ・ウォルデンも脂が乗りきっていい。やや経年劣化はいなめないが、『Is It True』、『Postcard From Paris』はいまでも通用するでき。

Alton Mcclain & Destiny『It Must Be Love』(1978)

クレイジー・ラヴ

クレイジー・ラヴ

  • アーティスト: アルトン・マクレイン&デスティニー
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  • 発売日: 2014/05/21
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ユニバーサルのフリーソウル名盤が多数リイシューされたが、もたもたしているとあっという間に廃盤になってしまった。もっとほしいアルバムたくさんあったのだが。

Sugar Babe『Songs』(1975)

いわずとしれた名盤の最新リマスター。さすがにこだわりぬいた音質でした。

松田聖子『Sqall』(1980)

SQUALL

SQUALL


ことしは聖子ちゃんめっちゃ聞きました。『ユートピア』や『Pineapple』もいいですが、やっぱりファースト1番好きです。ひとつひとつの音からもう松田聖子という才能を祝福し、うれしくて仕方がない感が伝わってくる。

松田聖子風立ちぬ』(1981)

風立ちぬ

風立ちぬ


だいたい夏と冬にそれぞれ聞きたい名盤を毎年2回、当然のように連打しているのがどうかしている。A面はすべて大瀧詠一、詩も松本隆が初めて全曲を手掛け、ひとつの頂点を極めた傑作です。好きすぎる。

SPEED『Starting Over』(1997)

Starting Over

Starting Over


私の中の「女子」の概念が形になったらたぶんこのアルバムになるんじゃないですかね。

おおたか静流にほんごであそぼ 童謡』(2014)

NHKにほんごであそぼ 童謡(どうよう)

NHKにほんごであそぼ 童謡(どうよう)

NHKの教育番組「にほんごであそぼ」の童謡コーナーを音源化。ずっとパッケージ化を待ち望んでいたのだけれど、いつのまにかリリースされていました。事実上おおたか静流のアルバムですね。ボサノバ調の「スキー」、調子っぱずれのピアニカがかわいい「マーチング・マーチ」など意表をつくアレンジもいい。「朧月夜」「鉄道唱歌」「ふるさと」など日本語詞のうつくしさに陶然とする。20曲もあって38分。もうこのアルバムしかいらないと思っていた時期ありました。

Sleeper『Smart』(1995)

Smart

Smart


ひょんなことから高校時代に編集したUKロックのミックスアルバムを発見して、なんとなくブリットポップを聞き直していた。そんな中再発見したバンド。アマゾンのレビューがすごくよかったのでそのまま引用します。「最近よく、ブリットポップを見直すというお話を雑誌やらで見かけ、20代の洋楽好きのワタシとしては懐かしいかぎりです。ていうか、ブリットポップって要はオアシスそのものだったよな?というような、どこかでLive foreverがかかれば合唱し、 Wonder wallの咳払いでドキンとしちゃうような方に聞いてもらいたいアルバムですね、これは。作詞・作曲・ボーカルのルイーズ嬢はとても魅力的なバンドの紅一点。おみこしじゃないですよ。極上のメロディにざらついたギターがグッドスメル!癖になるハスキーボイスで捨て曲無し!色あせない名盤です。このアルバムには間違いなく、あのころの奇跡的な空気が詰まりまくってます、完全なブリットポップの一つをここに発見してください。映画の中で一番かっこよかったな、復活希望。」

V.A.『The Breakfast Club: Original Motion Picture Soundtrack』

ブレックファスト・クラブ-オリジナル・サウンドトラック

ブレックファスト・クラブ-オリジナル・サウンドトラック

  • アーティスト: サントラ,シンプル・マインズ,エリザベス・デイリー,ワン・チャン,ジェシー・ジョンソン,カーラ・デビト,ジョイス・ケネディ,ステファニー・スプライル,キース・フォーシー
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック
  • 発売日: 2015/10/07
  • メディア: CD
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ことしは『ブレックファスト・クラブ』の公開30周年のメモリアルイヤーってことで、サントラの再発や新たなマスターのBlu-ray発売など何かと見返すことも多かったです。

そのほかよく聞いた楽曲。
守谷香『マジカルBoy マジカルHeart』

土岐麻子『セ・ラ・ヴィ〜女は愛に忙しい』

MISIA『つつみ込むように…』

Klique『I Can't Shake This Feeling』

Nona Reeves『パーティは何処に?』

Honey and the bees『Love Addict』