Devil's Own

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幻冬舎新書がダメダメな件

ここ最近の新書ブームに乗ってか、幻冬舎からも新書が創刊されていた。
ざっと立ち読みしたけど、どれも内容イマイチだった。新書は流動的な知識や思想を整理し、ある程度レジュメするのには便利なので、何かを研究するときの取っ掛かりとしてはいつもお世話になっているが、ここまで玉石混交化すると困惑してしまう。
タイトルだけは刺激的で、こと内容に関してはロジックが甘く、エッセイとしてもあまりに凡庸で退屈という愚書が多い気がする。

日垣隆の「すぐに稼げる文章術」とか、タイトルの軽薄さもだけれど実践的でもなかったし、「物書き」としてのスタンスも同調できない部分が多く残念だった。この人、刑法39条に関して結構ラジカルな本書いていて、少々論理が一元的過ぎる感は否めない一方で、その強気なアティチュードにも特筆すべきところがあったので注目していたのだが。

そして殺人者は野に放たれる (新潮文庫)

そして殺人者は野に放たれる (新潮文庫)

書評というのは、本そのものの宣伝となるか、またはエッセイとして面白みのあるもののどちらかであるべきだ。だからアマゾンのカスタマーズコメントに辛辣なレヴューを書くのは理解に苦しむ・・と言った内容のことが述べられていたが、自分の書評をアマゾンで一般人に批判されたことをかなり根に持っている様子。
口コミレベルの信憑性とは言え、あくまで消費者視点のレヴューをウォッチすることができるという特徴はアマゾンの強みの一つだ。あくまでユーザー主体というウェブ2.0的サービス構造への理解が足りないですよ日垣氏。

店頭にあった分でこれは買ってもいいなと思ったのは、浅羽通明の「右翼と左翼」。あと店頭にはなかったが団鬼六の本ですかね。。