Devil's Own

cinema, music, book, trash and so on...

耽美と愛憎の学園メロドラマ『おにいさまへ…』を見よ

"Dear Brother"1991-1992/JP ©NHK・NEP・池田理代子プロ・手塚プロダクション 最近、妹からの強いレコメンドを受けて、『おにいさまへ…』というアニメに見はまってしまった。原作は、『ベルサイユのばら』の池田理代子さんが1970年代に「週刊マーガレット」…

The 100 Essential Shots of "Ultraman Ace"

”Ultraman Ace"1972-1973/JP "Ultraman Ace" Main Title ©円谷プロ #1 Ep.1 "Shine! The Five Ultra Brothers" ©円谷プロ #2 Ep.1 "Shine! The Five Ultra Brothers" ©円谷プロ #3 Ep.2 "Surpass the Chouju"©円谷プロ #4 Ep.3 "Burn! Chouju Hell"©円谷プロ…

R.I.P. Adam Schlesinger

https://www.billboard.com/articles/news/obituary/9348904/adam-schlesinger-dead-fountains-of-wayne-coronavirus 米国のロックバンド、Fountains Of Waye(FOW)のベーシストで、ソングライティングの要を担っていたアダム・シュレシンジャーが新型コロ…

『つけびの村』(高橋ユキ)

つけびの村 噂が5人を殺したのか? 作者:高橋ユキ(タカハシユキ) 発売日: 2019/09/25 メディア: 単行本 2013年に山口県周南市の限界集落で起きた殺人事件に取材したルポルタージュ。限界集落で孤立を深めた男が近隣住民を5人も殺害した特異性から「平成…

『全裸監督』(武正晴、河合隼人、内田英治)

"The Naked Director"2019/JP 話題のNetflixドラマ、『全裸監督』(全8話)を見ました。「ハメ撮りの帝王」として90年代に一世を風靡したアダルトビデオ監督、村西とおるの半生を基にしたフィクションです。自他共に認めるAV好きの私ですが、残念ながらリア…

『オーディション』(三池崇史)ー恋は、怖くて痛い

Audition/1999/JP 三池崇史監督の国際的な評価を決定づけた『オーディション』が英アロービデオでBlu-ray化されました。私は村上龍の原作を含めて、この映画のファンなのですが、見返してみて、あらためて物語のせつなく、はかないメロドラマ性にうたれまし…

『座頭市逆手斬り』(森一生)、『座頭市地獄旅』(三隅研次)

『座頭市逆手斬り』(森一生) "Zatoichi and the Doomed Man"1965/JP 第11作。市が百叩きで罰せられるショッキングな冒頭に始まり、同じ牢に入れられた島蔵という老人から、無実の罪を証明してくれる知人を連れてきてほしいと頼まれるいきさつが、フラッシ…

2018年の映像ソフト12選

ことしも封切り映画は20本くらいしか見ておらず、ますます「在宅派」が進んでしまいました。というわけで、ことし購入して「よかった!」というBlu-ray、DVDソフトを書いていこうとおもいます。作品内容はもちろんですが、あくまでパッケージとしての満足度…

『座頭市関所破り』(安田公義)、『座頭市二段斬り』(井上昭)

『座頭市関所破り』 "The Adventures of Zatoichi"1964/JP シリーズ9作目。市が立ち寄った宿場では、代官と結託し、旅芸人たちかあ法外な金を巻き上げているやくざ一派が幅を利かす。市は、父の行方を探すお咲(高木美和)と知り合うがお咲の父親は宿場の陰…

『シェラ・デ・コブレの幽霊』(ジョセフ・ステファノ)

"The Ghost of Sierra de Cobre"1964/US 長らく「幻の映画」だった『シェラ・デ・コブレの幽霊』が、今年ついにアメリカでソフト化された。私も迷うことなく入手したが、世界中のシネフィルや映画マニアが長年恋い焦がれていた映画が、ついに自宅に届いたと…

「平成のアルバム」30枚

平成が終わりますので、この30年間にリリースされた私にとって大切なアルバムを1年に1枚ずつ選んでみました。私は昭和末期(60年)の生まれなので、当然平成初期のアルバムは後追いで聞いたものですが、95年(平成7年)以降は基本的にリアルタイムで繰り返…

『ボヘミアン・ラプソディー』(ブライアン・シンガー)

"Bohemian Rhapsody"2018/GB-US 難産の末にようやく完成した『ボヘミアン・ラプソディー』。はじめに制作のうわさを聞いたのがずいぶん昔のような気がするので、すっかり忘れていたよ。評判通りの傑作で、私が今更どうこう書くこともないのだけれど、忘れな…

『座頭市あばれ凧』(池広一夫)、『座頭市血笑旅』(三隅研次)

『座頭市あばれ凧』(池広一夫) "Zatoichi's Flashing Sword"1964/JP 7作目。やくざの清六に鉄砲で撃たれ川に転落した市は、花火師の久兵衛(左卜全)らに助けられ、恩に報いるため津向の文吉(香川良介)の宿を訪ね、わらじを脱ぐ。文吉は富士川の川渡しを…

『座頭市兇状旅』(田中徳三)、『座頭市喧嘩旅』(安田公義)、『座頭市千両首』(池広一夫)

『座頭市兇状旅』(田中徳三) "Zatoichi the Fugitive"1963/JP これまでかろうじて続きものとしての体裁を保っていたドラマがシリーズ4作目にしてひとまず完結。以降は原則「1話完結」のレギュラードラマへとシフトする。けじめをつけるのが第1作のヒロイ…

『ヴェノム』(ルーベン・フライシャー)

"Venom"2018/US 『ヴェノム』見てきました。いやー、ひどい脚本でしたね。でも満足しました。『マレフィセント』で感じた怒りはなかったですね。ヴェノムにはそこまで思い入れなかったんですが、「ちょっとフィギュアほしいな」ってくらいには好きになりまし…

『影なき淫獣』(セルジオ・マルティーノ)

"I Corpi Presentano Tracce di Violenza Carnale"1972/IT イタリア製ホラーのカルト的傑作『影なき淫獣』のBlu-rayがアロービデオからリリースされました。オリジナルネガからの2Kリストア版。アメリカで複数のタイトル("Torso"、"Carnal Violence"など)…

『座頭市物語』(三隅研次)、『続・座頭市物語』(森一生)、『新・座頭市物語』(田中徳三)

"The Tale of Zatoichi"1962/JP Criterion社が数年前にリリースした『座頭市』シリーズの25枚組Blu-rayボックスが、130ドルまで値下がりしていたので買ってしまった。映画シリーズは一通り見てはいるのだけれど、今回見返してみると見事に忘れているという……

『回路』(黒沢清)

"Pulse"2001/JP 国内盤が出る気配がないので、英アロービデオから2年前にリリースされたBlu-rayを取り寄せた。くすんだ画面の雰囲気は残しつつ、不吉な暗闇や心細いロングショットなどがつぶれることなく再現されていて、脂の乗り切った恐怖演出と画面構成を…

ポルノカルチャーと私

ジェームズ・ガン監督の「解雇」騒動を受けて、「残念だな」という以上に、なんだか他人事ではないなあと思って、過去にアップした記事を数本削除しました。2011~14年の年末に書いていた「アダルトビデオの年間ベスト」という下世話な記事です。 自分がどう…

素晴らしきロックバンド、WINOについて

THE BEST OF WINO-Volume 1 アーティスト: WINO,吉村潤,久永直行,外川慎一郎,黒沼征孝 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント 発売日: 2003/03/19 メディア: CD 購入: 1人 クリック: 17回 この商品を含むブログ (12件) を見る このブログも開設してか…

『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』(本多猪四郎)

"The War of the Gargantuas"1966/JP-US 先日、『フランケンシュタイン対地底怪獣』の感想をアップしましたが、その後に洋泉社から「東宝版フランケンシュタインの怪獣完全資料集成」という書籍が刊行されましたね。『フランケンシュタイン対地底怪獣』(1965…

子どもたちのさけび―『フランケンシュタイン対地底怪獣(バラゴン)』(本多猪四郎)

"Frankenstein Conquers the World"/1965/JP-US あらためて明けましておめでとうございます。去年は本当に忙しくて、ブログの更新が4回しかできませんでした。ことしはもう少し書けるといいな。 それで今年の1本目に選んだのは本多猪四郎監督、円谷英二特…

Hello,2018

今年も全然更新できないかもしれませんが、よろしくお願いいたします。

『牯嶺街少年殺人事件』(エドワード・ヤン)

A Brighter Summer Day/1991/TW かれこれ10年以上恋い焦がれていた『牯嶺街少年殺人事件』を先日、スクリーンで見ることができた。私がこの映画の存在を知ったのは、エドワード・ヤンが亡くなった時期とあまり変わらない。権利関係で再上映やDVD化がかなわず…

『怒りの日』(カール・TH・ドライヤー)

Vredens Dag/1943/DK 2008年、国内の上映権切れに伴い、カール・ドライヤー監督の5本の長編映画が最終上映された。『裁かるるジャンヌ』(1927)、『吸血鬼』(1932)、『怒りの日』(1943)、『奇跡』(1954)、『ゲアトルーズ』(1964)という、今考えても垂涎のラ…

読んだ本

最近、家で映画見てても寝ちゃうんですよね。休みの日に映画館に出掛けるのもすごくおっくうで。それで頭を切り換えて本を読むことにしています。映画関係の本を何冊か読みました。サウンド・オブ・ミュージック・ストーリー作者: トムサントピエトロ,Tom Sa…

『キャリー』(ブライアン・デ・パルマ)

Carrie/1976/US 私が通っていた中高一貫の私立校では、中学までが男子校で、高校に上がると少数の女子が入り共学化した。私は高校進学後も男子クラスだったので、結局女子と会話ができたのは中高6年間で数えるほどしかなかった。こうした経験はその後の私の…

Hello,2017

The Bird/1963/US 振り返る間もなく2017年。ことしもよろしくお願いします。

Good bye 2016

記録用にことしよく聞いたCDやトラックの振り返りを。もうなんかますますJPOPしか聞かない感じになってきました。オフ・ザ・ウォール デラックス・エディション(初仕様付期間生産限定盤)(Blu-ray付)アーティスト: マイケル・ジャクソン出版社/メーカー: SMJ…

『悪魔のいけにえ』(トビー・フーパー)

The Texas Chain Saw Massacre/1974/US あまり怖いものが得意ではない恋人が『悪魔のいけにえ』の爆音上映に付き合ってくれた。「ほんとうに大丈夫?」と何度か念押ししていたけれど、見終わったあとは案の定青ざめた表情で「怒らないで聞いてほしいんだけど…