Devil's Own

cinema, music, book, trash and so on...

2012-01-01から1年間の記事一覧

さようなら2012(音楽編)

AVや映画のエントリほど力は入っていませんが、今年よく聞いていた音楽もひっそり振り返っておきます。今年はあまり新譜を買いませんでした…中村一義と七尾旅人くらいしか買わなかった…。CDショップに行かなくなったというのもあるかもしれませんが。地方に…

さようなら2012(映画編)

今年の劇場観賞本数はちょうど延べ100本、再見やリバイバル上映を差し引いて93本でした。学生のころ以来、久々に年間100本を達成できた(対象作品はこんな感じ)。今年も良作が多くて本当に悩みました。ではことしの10本を。 1.『桐島、部活やめるってよ…

『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ』(新房昭之、宮本幸裕)

ちまたでは『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』の興奮冷めやらぬといったところですが、私の街には都内から少し遅れ『劇場版まどか☆マギカ』も上陸。市内の2大シネコンが『ヱヴァ』と『まど☆マギ』でしのぎを削っているのだった。テレビシリーズを集中的に見たと…

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』(庵野秀明、摩砂雪、前田真宏、鶴巻和哉)

"Evangelion 3.0"2012/JP ネタバレリヲン新劇場版です。読み解きは他の人にお任せして印象論で書きます。 劇中の碇シンジ君と同じように不親切なストーリー進行と膨大な情報量、新設定のつるべ打ちに振り回され、疲労感がどっと押し寄せてくる濃密な90分強…

ホラー映画ベスト10(改)

http://d.hatena.ne.jp/washburn1975/20121031 年の瀬を感じる恒例企画。今年はジャンルの王道ホラー映画で10本とのこと。ではさっそく。 1.『キャリー』(ブライアン・デ・パルマ) "Carrie"1977/US 2.『影なき淫獣』(セルジオ・マンティーノ) "I Cor…

『アルゴ』(ベン・アフレック)

"Argo"2012/US ベン・アフレックの新作。デビュー作からイーストウッドになぞらえられる気持ちはいかほどのものなのかわからないが、これまでの3作品を見る限りアフレックの資質はイーストウッドよりむしろジョージ・クルーニーに近いかもしれない。ものす…

『終の信託』『アウトレイジ ビヨンド』など

最低でも月に1度は更新したい所存であります。また日本映画ばかりになってしまった。 『終の信託』(周防正行) "Tsui no Shintaku"2012/JP 「お勉強映画」と揶揄されそうな『それでもボクはやってない』から愛妻ドキュメンタリーを経た周防の新作は、久々に…

『闇金ウシジマくん』『るろうに剣心』『映画 ひみつのアッコちゃん』

『闇金ウシジマくん』(山口雅俊) 原作未読、ドラマ未見というまったくの前知識なしで見ました。漠然と『笑ゥせぇるすまん』的な物語を想像していたのだが、だいたいそんな感じ。映画を見た後、原作に当たったが、ものすごく面白くて久しぶりにマンガにはま…

『桐島、部活やめるってよ』(吉田大八)

"They Say Kirishima Quits His Club Activity"2012/JP 「あんなん高校生が楽器吹いてるだけっしょ」 高校文化部の連載を書いている私にバリバリ事件報道してる硬派なデスクがこういった。悔しかったね。そんな人たちを説得できる記事を書けなかったことも、…

『ダークナイト ライジング』(クリストファー・ノーラン)

"The Dark Knight Rises"2012/US ノーラン版「バットマン」の完結編。このブログでさんざん『ダークナイト』過大評価論をぶち上げておきながら、会社を休んでまで先行上映に駆けつけ2回連続見てしまったという。こういうのをツンデレというのか。映画の評判…

『おおかみこどもの雨と雪』(細田守)

"The Wolf Children Ame and Yuki"2012/JP 細田守の新作。ネタバレしてるよ。おおかみおとこと恋に落ちた主人公の花は、おおかみおとこの子どもを宿しつつましい生活を始める。やがて花は二人目の子どもを産むが、おおかみおとこは死んでしまう。花は二人の…

『幸せへのキセキ』(キャメロン・クロウ)

"We Bought a Zoo"2011/US キャメロン・クロウ7年ぶりの新作。待たされたー。アレクサンダー・ペインの『ファミリー・ツリー』の方がブランクとしては長いけど、それよりもずっとずっと長い間待たされた気がする。なにしろ私は変わった。映画もたぶん100…

『ガール』(深川栄洋)

"Girl"2012/JP あからさまに「和製SATC」をねらった外装に不安を感じつつも奥田英朗の原作小説は気に入っていたので見てきた。じっさい「SATC」っぽい場面はほとんどなく、ウェルメイドな群像劇としてよくまとまっていたとおもう。劇場に男性は私だけだった…

『猛獣大脱走』(フランコ・E・プロスペリ)

"Wild Beasts"1984/IT イタリア製ゲテモノ映画に関する文章にたびたび登場するのを見かけては気になっていたフランコ・E・プロスペリの動物パニック映画が満を持して(といっていいのかわからないが)DVD化された。多くの映画館では『プロジェクトA』と同時…

『ロボット』(シャンカール)

"Enthiran(Robot)"2010/IN インターネットの片隅でひっそりこつこつと映画の感想を書き連ねるようになってから数年が経ち、地道な文章がそこそこ注目などもされたりもしてすっかり調子に乗っている私であるが、『ロボット』のような完璧な娯楽映画を目の前に…

覚書(『ウルトラマンサーガ』、『ドライヴ』、『まどか☆マギカ』など)

今年度に入ってから異様に忙しく長らくブログを放置してしまった。忙しいなりに映画は仕事帰りなどに見ているのだが…。1ヶ月以上も最新記事が『プリキュアオールスターズ』のままストップしてしまっているのでいくつか覚書を書いておきます。 『ウルトラマン…

『映画プリキュアオールスターズ New Stage みらいのともだち』(志水淳児)

"Pre-cure All Stars New Stage"2012/JP 今年ようやく小学1年生になる妹といっしょに見てきました。「小学生になったらもうプリキュアなんて見ないんじゃないの?」ときいたら「とりあえずがっこうではみてないってことにする」って言ってました。進学早々、…

映画『先生を流産させる会』の改変問題について考える

内藤瑛亮監督の自主映画『先生を流産させる会』の一般公開が決まった。剣呑としたタイトルから公開は危ぶまれていたが何とかがんばってくれたようだ。私は昨年のカナザワ映画祭で大畑創監督の『へんげ』(こちらも公開が決定。大のつく傑作です。)と2本立…

『ヒューゴの不思議な発明』(マーティン・スコセッシ)

"Hugo"2011/US-UK あんまり泣いた泣いた書いていると映画ブロガーとしての信用がどんどんなくなっていくのではないか(もともと信用されているのかは置いておいて)、このまま私はAVブロガーとして認識されるようになってしまうのではないかという危惧を感じ…

『DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on 少女たちは傷つきながら、夢を見る』(高橋栄樹)

"Documentary of AKB48(Show Must Go On)"2012/JP AKBさんのことは詳しくは知らないんですけど、この映画はタイトルからして絶対に私の好きなモノが映ってるぞと、嗜虐精神をむき出しにしながら見てきたわけです。期待以上の収穫でしたね。『エンジェル ウォ…

『海賊戦隊ゴーカイジャー』をふりかえる

『海賊戦隊ゴーカイジャー』が終わった。スーパー戦隊35周年記念を銘打ち、過去シリーズに出演したキャラクターが「レジェンド戦士」として次々と登場する。『ゴーカイジャー』はこうした「お祭り」を演出する一方で、「海賊戦隊」としてのドラマもていねい…

『ドラゴン・タトゥーの女』(デヴィッド・フィンチャー)

"The Girl with the Dragon Tattoo"2011/US デヴィッド・フィンチャーのキャリアについて話すとき「凡作と傑作を交互に撮っている」という揶揄がしばしば登場するわけだが、今作でフィンチャーはそうしたジンクスを見事打ち破ったといえるだろう。得意のジャ…

『小悪魔はなぜモテる?!』(ウィル・グラック)―またはビッチに関する短い考察

"Easy A"2010/US ボンクラ男子のミューズ、エマ・ストーン主演の学園コメディ。前評判が高く、昨年公開された同監督の『ステイ・フレンズ』が傑作だったこともあり公開を熱望していたのだが、謎の邦題を付けられてのDVDスルーとなった。個人的にDVDス…

『J・エドガー』(クリント・イーストウッド)

"J.Edgar"2011/US レオナルド・ディカプリオがFBI初代長官ジョン・エドガー・フーヴァーを演じる伝記映画。ダスティン・ランス・ブラック(『ミルク』)の新作でもあり、監督、脚本、俳優のそれぞれが自らの資質や経験を生かしながら最高のアンサンブルを見…

『贖罪(#5.償い)』(黒沢清)

"Shokuzai(ep.5 Recompense)"2012/JP 黒沢清の新作が毎週見られるという幸福をもたらしてくれたドラマシリーズがついに終わった。これまでの4話はそれじたいが短編映画として独立した面白さがあったが、最終話では提示されてきたいくつかの謎が解き明かされ…

『哀しき獣』(ナ・ホンジン)

"황해"2010/KR 『チェイサー』はパイプ椅子殴りを始め、斬新な暴力表現は印象に残ったものの、全体としてはあまりノレなかった。『チェイサー』でも気になっていた方向感覚のつかめないアクションシーンの悪癖は改善されるどころかさらにひどくなっている・・・…

『贖罪(#.4 とつきとおか)』(黒沢清)

"Shokuzai(ep.4 Ten Months Ten Days)"2012/JP 病弱な姉を持つ由佳(池脇千鶴)は愛情に飢えていて、事件当日親切にしてくれた警官に好意を寄せる。欲しいものをいつも姉に横取りされていると感じていた由佳は、姉の結婚相手が警察官だと知り義兄を誘惑する。…

『贖罪(#3.くまの兄妹)』(黒沢清)

"Shokuzai(ep.3 Siblings of Bears)"2012/JP 呪わしい事件に立ち会った4人の少女のうちのひとり、晶子(安藤サクラ)は前2話の2人とは対象的に今もって自宅に引きこもった生活している。自己評価が極端に低く、事件当日に親戚にもらった「身分不相応の服…

『ラビット・ホール』(ジョン・キャメロン・ミッチェル)

"Rabbit Hole"2010/US ニコール・キッドマン製作、主演。事故で子どもを失った夫婦をキッドマンとアーロン・エッカートが演じている。関東での公開時、空中キャンプの伊藤聡(id:zoot32)さんが「『レボリューショナリー・ロード』や『ブルーバレンタイン』と…

『恋の罪』(園子温)下

"Guilty of Romance"2011/JP 先日の『恋の罪』を罵倒したエントリでちょっとした反論をいただきました。最初はリツイート経由でですね「映画の中で描かれていることが果たして製作者側の倫理まで表してることになるのか」という疑問を呈された上で「女が力を…