Devil's Own

cinema, music, book, trash and so on...

2008-08-01から1ヶ月間の記事一覧

基地外ピエロの『ハプニング』−『鳥』とかなんとか言ってんじゃねーよ!

シャマランなんて僕の人生にはあまり関係がないなと思いつつも結局はこの作家の作品を追い続けていることになるわけだが*1、しかし『ハプニング』はもしかしたら一番好きなシャマラン作品かも知れない。と、見てから数週間くらい経った今になって思う。 大体…

バットマンはジョーカーを殺すべきだった

Why so serious?という問いが頭の中でぐるぐると回り続ける状態での鑑賞となった二度目だ。この問いかけは、ともすれば作品そのものをメタ視することで、巧みな伏線を張り巡らせテーマとロジックをこねくり回すクリストファー・ノーランの作劇やそれに対して…

t.A.T.u−220

CSSがABBAをカバーしてるみたいな現時点の最新曲。歌謡曲めいた下世話なメロディーがいい感じ。Perfumeの「Game」もこのくらいスノッブでダサかったら買ってた。あとロシア語の響きが楽しい。これ最大のメリット。サードアルバムはロシア語リリースなんだろ…

「闇の子供たち」追記−メッセージだって商品だ

「闇の子供たち」は日本ユニセフのプロパガンダ映画になる危険性を有している。この映画についての感想をブログやポータルサイトで見ていると「目を背けないでください」や「考えさせられました」みたいな「誠実な」言葉にぶつかるが、某巨大掲示板*1で指摘…

松本人志『大日本人』を肯定する

以下は今年5月に文学フリマにて出展した同人誌「秘密結社ソドム」に寄稿した文章をカット、訂正したもの。*1先日、PCをリカバリした際にデータが無くなってしまい、紙媒体しか残っていないので自分用アーカイブとして再度文字に起こした。ついでに上げてお…

「ダークナイト」(改)

「ダークナイト」に関してかなり肯定的エントリーを上げていたが、どうももやもやして、いろいろ考えることがあるのでとりあえず一度消します。再見して、まったく別の評価を書くかもしれない。 「ダークナイト」は市川森一がウルトラシリーズで書いたいくつ…

スヌーザー

の次号はラブソング特集なんだそう。くそ先にやられた。表紙はキャンディーズなんだそう。昔t.A.t.Uが表紙だったことがあるがまぁそのような遊び心だろう。ま、しかし僕が編集長であれば表紙は「山口さんちのツトムくん」のラストカットであるから、センス的…

Radiohead-Kid17

レディオヘッドの傑作「Kid A」を17秒遅れで同時再生するという試み。ラスト3曲が凄い。 数年前、「Kid Aを二つ、十七秒ズラして再生するとクラックがキマる」という話題が一部の英語フォーラムで盛り上がったりしたんです。KidA(04:30-)、国歌(09:30-)、idi…

シカダ・ライフ

今年も蝉が盛大に鳴いて、盛大に死んでいく。今日も熱いアスファルトの上に転がった蝉の死骸を3つ見た。蝉は幼虫として7年間土の中で暮らして、成虫になって地上に出て、子孫を残すため声の限り鳴きつくして一週間ほどで死んでいく、というのが実しやかにさ…

明日、地球にいないかもしれない君へ―「崖の上のポニョ」

「崖の上のポニョ」は、「崖の上のポニョ」という名の物語だ。このトートロジーですべてを言い切ってしまった感がある。したがって以下のエントリはこの映画について「語る」という行為が野暮なものだと分かった上で書いていくことになりそうだ。宮崎駿のア…

もっと不道徳な映画またはカッコつきの「正義」について―阪本順治「闇の子供たち」

まずは大傑作。そしてとんでもないくらい不道徳な映画。 結局しっかり感想を書くことができなかった阪本順治監督の前作「カメレオン」*1は、手に汗握るカーチェイスあり、スリリングな乱闘あり、乾いた恋愛ドラマありの理想的なアクション活劇*2だった。90分…