Devil's Own

cinema, music, book, trash and so on...

2010-05-01から1ヶ月間の記事一覧

『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』

一応先に言っておくと、私はジョニー・トー作品の作家性に対しては適度な距離感をもって見ている。単純に好みの問題で、私はペキンパーやアルドリッチの映画にもあまり感情移入できないたいへんなオトメ心の持ち主なのだ。ただ、こうした前提を踏まえても、…

『川の底からこんにちは』

上京して5年目の佐和子(満島ひかり)は、大したことない職場で働き、大したことない彼氏(子持ち)と付き合い、大したことない毎日を送っている。佐和子は自身のことを「中の下」であると評価しているのだが、この「中の下」という言葉が映画全体を方向付け…

『ウルフマン』

ゴシックな衣装と舞台立て、手抜きのない人体破壊、フリークスへ変貌していく男の苦悩、ロマネスクな世界を盛り上げるダニー・エルフマンの音楽などなど、私たちがティム・バートンの映画に求める要素の大半は、『アリス・イン・ワンダーランド』ではなくな…

smoke lover

『運命のボタン』

今回は結末に触れているので注意してください。日常生活でいろいろと悩みも多い夫婦のもとにひどい火傷で顔が半分くらい抉れている初老の紳士が訪ねてくる。彼は大きなプッシュ式ボタンのついた箱型の装置を差し出し、押してみないかと持ちかける。そのボタ…

龍馬の野望

この5月連休で長崎の実家に帰った。今回は私の彼女もついてくることになったので、いつもなら実家でぼーっとDVDなど見ているところを案内がてら市内をいろいろと見て回ったりもした。私の実家はグラバーさん家やオランダ坂のすぐ近くであり、要するにわり…