Devil's Own

cinema, music, book, trash and so on...

2008年総括−今年もやはり駄文を綴っているということ

 2008年も残りわずかとなった。皆さん、今年もお世話になりました。ということで今年も振り返りたいと思います。
 まずは今年お世話になったCDを十枚。グールドは2枚で1つとしました。

Siren

Siren

名前をつけてやる

名前をつけてやる

Fashion Nugget

Fashion Nugget

Spirit If

Spirit If

Substance

Substance

バッハ : 平均律クラヴィーア曲集 第1巻

バッハ : 平均律クラヴィーア曲集 第1巻

バッハ : 平均律クラヴィーア曲集 第2巻

バッハ : 平均律クラヴィーア曲集 第2巻

Donkey

Donkey

Partie Traumatic

Partie Traumatic

Beat Pyramid

Beat Pyramid

 
iTuneの再生回数など見ると、相変わらずブロンディ、スミス、ビートルズが3強。ブロンディは『恋の平行線』が再発されて、それをよく聴いていた。正直この3組はわざわざ入れる必要がないのだけれど、スミスのラストアルバムは、今年になって初めて聴いてすごく気に入ったのであえてラインアップしてみた。評価が芳しくなかったので完全にスルーしていたのだけれど、個人的にはファーストの次に好きだ。スミスはライヴ盤もよく聴いた。ロキシー・ミュージックスピッツは、就活の際によく聴いていたので印象深い。ケイクとケヴィン・ドリューはmondaywomanくんに教えてもらったがこれはいい掘り出し物だったなぁ。
 グールドの平均律クラヴィーアは、特に聴きたいものがないときに必ず聴いていたので再生回数だけはやたら多い。年間通してもっともよく聴いたし、たぶん来年もよく聴くと思う。
 最後に、今年リリースされたものからはCSSBlack Kids、These New Puritansの3枚。この3つだけは飽きずによく聴いたと思う。ほかにも、買ったものはいくつかあるけれどほとんど一週間もすれば聞き飽きてしまった。今年に限って言えば、新人豊作だとかニューエキセントリックとかいろいろ言われているが、ハッキリ言ってほとんどスヌーザーのでっち上げだと思っている。それが悪いというのではない。フランスのヌーヴェルヴァーグだって半ば戦略的なメディアミックス型のムーヴメントだったのだから。ポップカルチャーとメディアは常に共犯関係にあり、商業主義の構造がある限りいつかはラジカリティを失っていく。それでも、新たなカウンターカルチャーは必ず登場し、大きなうねりを起こしてきた。かつてのスヌーザーロッキングオンのアンチテーゼとして登場したように、スヌーザーへのアンチテーゼとなりうるメディアが今必要とされていることは間違いない。それは雑誌とも限らないし、ブログとも限らない。ただ、今年スヌーザーが無責任にプッシュしてきた新人の大半が10年後キッズに聴かれているだろうかという問題だ。正直、僕には疑わしい。供給過剰とでもいうか、とにかく回転率が早すぎるのだ。あと5年もすれば、クラクソンズのファーストアルバムはディスクユニオンに溢れかえっている気がしてならない。
 で、そんなお前が擁護してるのは結局スヌーザーが大プッシュ中のBlack Kidsかよ。そうである。そうした同時代の色眼鏡を差し引いても、余りある魅力がBlack Kidsのファーストアルバムにはある。このアルバムは、未来の『マイ・ジェネレーション』であり、『石と薔薇』であり、『ザ・ラーズ』であり、十年、二十年に一度の傑作デビューアルバムだ。凡百の新人勢とは一線を画している。ということで、2008年のベストアルバムは一応、ブラック・キッズの『パーティー・トラウマティック』にしておきましょう。CSSピューリタンズはフツーにいいです。あとJamie Lidellもけっこう聴いたかな。たぶんスヌーザーのランキングでもこの辺が1位だろう。なのでDevil's Ownはアンチ・スヌーザーとしての責任を一切負いません。