独白(『アラビアのロレンス』『愛のむきだし』など)
いやー、スクリーンで見る『アラビアのロレンス』には本当に感動した。恐ろしく美しいアラビアの砂漠が35ミリフィルムのロングショットでビシビシ決まる。これだけで心臓バクバク。そして、ひとたびカメラがロレンス(ピーター・オトゥール)の顔に近寄れば、その青い瞳が少しずつ絶望と狂気を帯びるのが見て取れる。当初は、軽妙でウィットに富んだ弁舌で、軍部の上官やアラビア部族のボスまでも巧みに言いくるめていたロレンスが、物語後半で急激に気難しく、寡黙になっていく。余計なセリフは出来る限り排して、画面だけですべてを語りきろうとする力量に圧倒された。4時間弱の大作でも、視覚的な「カタルシス」は実をいうと少ない。本来なら一番のハイライトにもなりうるアカバへの侵攻場面も、肝心な部分が殆ど省略されてしまっている。映画全体の語り口は驚くほど物静かだ。にもかかわらず、一瞬たりとも目が離せない。ちょう最高でした。
最近はもう暇があればミッキーマウスである。何度見ても飽きないぜ。先日ここでも紹介した最初期の三作は特にすごい。そういえば、ピクサーの大傑作『ウォーリー』のソフト発売がアナウンスされた。『トウキョウソナタ』と一緒に、もう予約した。初任給で買うことになるな(笑)
こないだ『愛のむきだし』も見たけど、これに関しては全くノレず。園子温は「キャラクター設定」と「人物描写」を履き違えているとおもうのだ。満島ひかり演じる男嫌い(という設定の)ヒロイン・ヨーコが唯一敬愛する(という設定の)男がカート・コバーンという点などは顕著な例だろう。要するにディープなようでめちゃくちゃ浅い。「カート、カート」言ってる割に『ブリーチ』とかは聴いてなくて、よくよく聞くと椎名林檎経由でしたーみたいな女子っているでしょ?あんな感じ。そのうちちょっと批判的な感想は書くかもしれません。
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