Devil's Own

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あれ?2本立てじゃないんだ。「妖女伝説セイレーンX」


 1日なので当然映画観て過しました。「偽大学生」(増村保造)、「ミスト」、「セイレーンX」という節操に欠けるスケジュールを敢行。3本ともヘンな映画だったなぁ。
 「偽大学生」が素晴らしいのは言うまでもないし、疲れているので「ミスト」について長々書く気がしないので、「セイレーン」についてちょっとだけ書いておこう。

  • 「セイレーン」シリーズは、民放で深夜枠に時々かかっていたのものをこっそり見ていた想い出がある。ちなみに第2作は、円谷プロが制作し、実相寺昭雄の弟子である服部光則が監督していた。
  • 基本的なストーリーはシリーズ全般共通していて、男の精気を吸い取らなくては生きることが出来ない妖女セイレーンと、彼女と恋に落ちる男との悲恋が中心軸に据えられている。セイレーンの精気吸収は性交を通して行われるので、物語に濡れ場を無理なく組み込むことが出来、テンプレとしても好都合なようだが、セイレーンに殺されミイラ化してしまう男の特撮描写も見所のひとつで、これがVシネならではのケレンに溢れていてなかなか好きだった。
  • 今回シリーズ初の劇場版に登板する監督は最近よく名前を目にする城定秀夫。2007年最も高く評価され、第20回ピンク映画大賞を受賞した「ヒロ子とヒロシ(痴漢電車 びんかん指先案内人)」の脚本を担当した人。監督としてはVシネを中心に良作が多いと聞くが、作品を見るのが今回が初めて。しかし、正直な所「ヒロ子とヒロシ」には周囲の絶賛には一概に同調できない部分もあり、加えて主演の麻美ゆまはAV女優として苦手だ。変態・松浦祐也が出演しているが、竹洞組以外の映画ではおとなしいしなぁ。。
  • という期待と不安が五分五分といったところだったが、結果、微妙といったところだろうか。竹洞哲也「再会迷宮」での好演が光った那波隆史が出ていたときはなかなか安定していてよかったが一番最初に退場してしまうし、ミイラ化しないのにはがっくりだ。
  • それにしても主演の麻美ゆまが、どうにも妖女性に欠ける。グラマラス過ぎる肉体も、喘ぎ声もあまりにアダルトビデオ的過ぎて品がない。AV女優の演技の下手さには普通目を瞑るが、エロシーンはしっかりして欲しいですな。脇役の日高ゆりあのがよっぽどいい味出していた。というか、城定は最初っから麻美ゆまを主演に立てつつ日高ゆりあを推すつもりだったんじゃないのかとすら思う。
  • 映画のフライヤーに「狂わせてあげる」という陳腐なキャッチフレーズがついているが、もっと狂った松浦祐也を見たことあるぞ。
  • 印象に残ったのは、那波隆史とのカラミで、窓が開き風が舞うという描写、日高ゆりあがラブホでぶっ殺されるシーン、最後の松浦とのカラミでの超ロングショットくらいだなぁ。
  • あと主題歌「恋のヨーグルト」というなんとも90年代っぽい(なぜかはわからないがそう思う)タイトルの曲を日高ゆりあが熱唱している。下手だが劇中で3回も使われていて、印象的だった。ブスだけど日高ゆりあにはとりあえず今後も注目していこう。
  • 入場特典として結構大きいポスターをもらった。家に帰って開くと麻美ゆまのセクシーな姿が・・・これはちょっと貼れないな笑
  • つか、上映時間が70分弱なので当然同時に制作がアナウンスされている「新・監禁逃亡」と2本立てなのかと思っていたが違ったのが最も残念だ。1000円とはいえ損した気分。「監禁」のほうは来週上映らしいが、多分行かないかなぁ。ただ、1日に限らず6月生まれの僕は今月どうやら毎日1000円らしいんだよね。だからま、暇なとき行くかも。

 ツタヤDVDがセールだったので、これを機にヒッチコックをまとめ買いして帰った。