Devil's Own

cinema, music, book, trash and so on...

2008-01-01から1年間の記事一覧

0908

出典を失念してしまったが、『自分の中にカオスを有していないものは輝ける星にはなりえない』みたいなことを確かニーチェが言っていた気がするが、それを今朝急に思い出して、なるほどだからバットマンとジョーカーは決定的に違っているのかとひとりごちた…

ねないこだれだ

ねないこだれだ (いやだいやだの絵本)作者: せなけいこ出版社/メーカー: 福音館書店発売日: 1969/11/20メディア: ハードカバー購入: 8人 クリック: 227回この商品を含むブログ (202件) を見る 今一番楽しみな映画が『トウキョウソナタ』じゃなくて『大決戦!…

おとうさんおかあさん、ありがとう!『片腕マシンガール』

プロバイダへの料金を三ヶ月くらい滞納していたので見事にネットを止められ、更新が出来なかったんです。そんなことより、今月末ようやく話題の『片腕マシンガール』を見に行くことが出来たんだが、観た後に「あー面白かったー」と素直に言える映画を久しぶ…

基地外ピエロの『ハプニング』−『鳥』とかなんとか言ってんじゃねーよ!

シャマランなんて僕の人生にはあまり関係がないなと思いつつも結局はこの作家の作品を追い続けていることになるわけだが*1、しかし『ハプニング』はもしかしたら一番好きなシャマラン作品かも知れない。と、見てから数週間くらい経った今になって思う。 大体…

バットマンはジョーカーを殺すべきだった

Why so serious?という問いが頭の中でぐるぐると回り続ける状態での鑑賞となった二度目だ。この問いかけは、ともすれば作品そのものをメタ視することで、巧みな伏線を張り巡らせテーマとロジックをこねくり回すクリストファー・ノーランの作劇やそれに対して…

t.A.T.u−220

CSSがABBAをカバーしてるみたいな現時点の最新曲。歌謡曲めいた下世話なメロディーがいい感じ。Perfumeの「Game」もこのくらいスノッブでダサかったら買ってた。あとロシア語の響きが楽しい。これ最大のメリット。サードアルバムはロシア語リリースなんだろ…

「闇の子供たち」追記−メッセージだって商品だ

「闇の子供たち」は日本ユニセフのプロパガンダ映画になる危険性を有している。この映画についての感想をブログやポータルサイトで見ていると「目を背けないでください」や「考えさせられました」みたいな「誠実な」言葉にぶつかるが、某巨大掲示板*1で指摘…

松本人志『大日本人』を肯定する

以下は今年5月に文学フリマにて出展した同人誌「秘密結社ソドム」に寄稿した文章をカット、訂正したもの。*1先日、PCをリカバリした際にデータが無くなってしまい、紙媒体しか残っていないので自分用アーカイブとして再度文字に起こした。ついでに上げてお…

「ダークナイト」(改)

「ダークナイト」に関してかなり肯定的エントリーを上げていたが、どうももやもやして、いろいろ考えることがあるのでとりあえず一度消します。再見して、まったく別の評価を書くかもしれない。 「ダークナイト」は市川森一がウルトラシリーズで書いたいくつ…

スヌーザー

の次号はラブソング特集なんだそう。くそ先にやられた。表紙はキャンディーズなんだそう。昔t.A.t.Uが表紙だったことがあるがまぁそのような遊び心だろう。ま、しかし僕が編集長であれば表紙は「山口さんちのツトムくん」のラストカットであるから、センス的…

Radiohead-Kid17

レディオヘッドの傑作「Kid A」を17秒遅れで同時再生するという試み。ラスト3曲が凄い。 数年前、「Kid Aを二つ、十七秒ズラして再生するとクラックがキマる」という話題が一部の英語フォーラムで盛り上がったりしたんです。KidA(04:30-)、国歌(09:30-)、idi…

シカダ・ライフ

今年も蝉が盛大に鳴いて、盛大に死んでいく。今日も熱いアスファルトの上に転がった蝉の死骸を3つ見た。蝉は幼虫として7年間土の中で暮らして、成虫になって地上に出て、子孫を残すため声の限り鳴きつくして一週間ほどで死んでいく、というのが実しやかにさ…

明日、地球にいないかもしれない君へ―「崖の上のポニョ」

「崖の上のポニョ」は、「崖の上のポニョ」という名の物語だ。このトートロジーですべてを言い切ってしまった感がある。したがって以下のエントリはこの映画について「語る」という行為が野暮なものだと分かった上で書いていくことになりそうだ。宮崎駿のア…

もっと不道徳な映画またはカッコつきの「正義」について―阪本順治「闇の子供たち」

まずは大傑作。そしてとんでもないくらい不道徳な映画。 結局しっかり感想を書くことができなかった阪本順治監督の前作「カメレオン」*1は、手に汗握るカーチェイスあり、スリリングな乱闘あり、乾いた恋愛ドラマありの理想的なアクション活劇*2だった。90分…

0731またはBlack Kids評への導入

家でトビー・フーパーを見て外でダグラス・サーク見る、そんな夏休み。今日は先生の取り計らいでサークのDVDボックスやユリイカのルノワール特集で執筆なさっており、このブログにも何度かコメントを下さっている大久保清朗さん(id:SomeCameRunning)とお…

Fuji Rock Festival 08

ただいまー。無事帰りました。それでは恒例の振り返りタイム行ってみましょう! 7月24日 石野卓球 The Beaches The Fumes 前夜祭。お昼に出発して夕方7時頃到着。テントを張っていると花火が上がる。木に隠れて微妙に見えず。ビーチズよかった。超軟派!前夜…

メトロポリス完全版発見

http://eiga.com/buzz/20080707/11 知らなかった。てかなんでブルーレイなんだよ。

山口さんちのツトムくん

ようつべが削除されたのでニコ動に差し替えました。名曲の価値を貶めるのでコメントを消して見ると約束してください!!!! 何の反応もないからさらに調子に乗って書かせてもらう。このうたでどうして泣いてしまうのかよくよく考えてみたんだけど、この曲っ…

0717

毎年恒例の夏の文庫フェアにおける皆勤メンバー夏目漱石の「こころ」。「こころ」なんて青空文庫で全編読むことができるのだから出版社からしてみればデザインや装丁などの付加価値をつける他ない。僕はそこに紙媒体の生き残る道がかかっている気がするので…

「ホット・ファズ」

それにしても映画に関してはセンスのかけらもない僕のようなボンクラにしてみれば「コロッサル・ユース」なんて過ぎてもう眠くて眠くて仕方がなく、疎外感が半端なかった。編集や語り口から言えばその真逆の作劇をとっているとも言える「ホット・ファズ」は…

Cansei De Ser Sexy「Donkey」

ドンキーアーティスト: CSS出版社/メーカー: ケイエスアール発売日: 2008/07/09メディア: CD購入: 3人 クリック: 194回この商品を含むブログ (51件) を見る マイスペやYouTubeで一部試聴した感じだとファーストのが好きかなと思ったが、これはちょっと凄まじ…

「グラインドハウス USAバージョン」―すべてはエンドマークに向かって

昨日書いたものを加筆訂正しました。 夏だ血飛沫だ切株だー!ってことで、「片腕マシンガール」や「ホット・ファズ」など、夏だからこそ見たい血祭り系新作映画が目白押しで今から楽しみだが、早稲田松竹で「グラインドハウス」のUSAバージョンが公開されて…

チャウ・シンチー「ミラクル7号」、そこまで笑わなくても・・・

うーん、残念だ。宇宙犬ナナちゃんが出てきてダンスするシーンまでは傑作の予感がしたのだが。シンチーがいつもの自意識とサービス精神を押し殺すと映画のエッジはここまで鈍るものなのかと思った。「少林サッカー」にも「カンフー・ハッスル」にも「ありえ…

祝再発!椎名林檎ラストアルバム「加爾基 精液 栗ノ花」とは何だったのか?

加爾基 精液 栗ノ花アーティスト: 椎名林檎出版社/メーカー: EMIミュージックジャパン発売日: 2008/07/02メディア: CD購入: 4人 クリック: 116回この商品を含むブログ (50件) を見る 椎名林檎がベストアルバムを出すとは感慨深い。ある意味ではレディオヘッ…

Black Kids「Partie Traumatic」

Partie Traumaticアーティスト: Black Kids出版社/メーカー: Universal UK発売日: 2008/07/15メディア: CD購入: 1人 クリック: 13回この商品を含むブログ (11件) を見る http://www.myspace.com/blackkidsrock マイスペにて、今月発売予定のBLACK KIDSのファ…

0705

サークのチケット、「思ひ出の曲」と「いつも明日がある」を無事に買う。ダグラス・サークといえば「ぼくの彼女はどこ?」が本当に好きすぎてどうしようもない。ここ数ヶ月で4回も見ている。「天はすべてを許し給う」や「愛する時と死する時」などと比べると…

クローネンバーグの冷め切った正義感「イースタン・プロミス」

不道徳な映画だ。描かれる暴力描写や少女売春のテーマではない。この映画は道徳そのものが不在なのだ。 「イースタン・プロミス」はクローネンバーグとモーテンセン双方のキャリアにとっての代表作となるだろう。サウナでの戦闘場面は、本来的な人間の闘争心…

PFFダグラス・サーク特集〜悲しみのハッピーエンディング

公式サイトのスケジュールが携帯から見づらかったのでこの場に。 7月27日(日) 10:00〜「第九交響楽」 12:15〜「思ひ出の曲」 14:15〜「いつも明日がある」 16:15〜「心のともしび」 18:30〜「愛する時と死する時」 7月28日(月) 11:00〜「アパッチの怒り」 1…

Perfume

love the world(初回限定盤)(DVD付)アーティスト: Perfume出版社/メーカー: Tokuma Japan Communications CO.,LTD(TK)(M)発売日: 2008/07/09メディア: CD購入: 21人 クリック: 476回この商品を含むブログ (349件) を見る アルバムにはあんだけ文句たらたら言…

『片腕マシンガール』先行上映&和製グラインドハウスナイト!

魅力的過ぎて言葉も出ない説得力のあるビジュアルで、僕が長らく見たくて見たくてしょうがなかった「片腕マシンガール」の先行上映イベントちょっと面白そうだ。何これ何これいくいくー!って感じ。SPOTTED PRODUCTIONSの直井氏によるアナウンスをmixiコミュ…